2021年6月9日水曜日

アンテナ・ルーフタワーの撤去・解体、無事完了

4月初旬、自宅の改修工事を機会に屋上のルーフタワーとアンテナを撤去しました。

当初、改修工事(外装)は来年を予定していましたが、去年からのコロナ禍で職人さんを集めて行う改修工事がスムーズできるかわからなくなりました。よって今年の前半に前倒しすることになったのですが、屋上の防水シートに新しいシートを重ねるために一度すべてのアンテナを撤去する必要がありました。

バーチカルアンテナなどは自分で撤去できてもルーフタワーと乗せてあるアンテナの撤去が最大の課題です。建てる時は家族や知人に手伝ってもらいましたが、今回は自分でなんとかしなければなりません。上げるときは勢いでやってしまいますが、撤去というのは気がすすまず何もかもが億劫になります。

体力的な限界もあり自力は無理と判断して専門業者さんに問い合わせましたが、なかなか調整がつきません。結局改修工事をお願いした業者さんに解体してもらいました。

ルーフタワーは長年使ったもののまだまだ使える状態、ローテーターも数年しか使ってなかったのですが、再利用しようとすると一つ一つバラすことになり大変手間がかかります。

作業をするのは専門業者さんではないので「綺麗に外す」ということはできませんし、足場に上って自分が指示を出すことはできません(原則足場は立入禁止)。よって全撤去(解体)してもらいました。

一体どんな風に撤去するのかと思ったら、男性二人が屋上に上って一人がディスクグラインダーでアンテナを切断、一人が下で受け取るというやり方です。地上からは一部の作業しか見えなかったの見学は諦めましたが、半日で綺麗に片付きました。

なんと、最近のディスクグラインダーはバッテリー式なんですね。自分が十数年前に買った機種は電源コード付きですから随分便利になったものです。アルミのブームなんてマストに取り付けたまま簡単に切断してしまいました。

ところで撤去したルーフタワーはマルドル製の5.7mのもので、建て替え前から35年くらい使ったと思います。しっかりした作りで目立った腐食もなく最後まで無事故で済みました。とにかく建物から飛び出さないように、小型のビームアンテナを乗せたのが良かったのかもしれません。

敷地の関係で思うようにアンテナを選べませんでしたが、最後まで無事故だったのが一番の成果です。家族やご近所さんの理解と協力があってここまで無線を継続できたことに感謝です。




※写真はバラした資材の一部。地上に下してまとめてしまうと思ったほど量はありませんでした。長くて重かったのはマスト。重くてかさばったのは自分で下したケーブル類の束。改修工事で出たゴミ類と一緒に業者さんに引き取ってもらいました。


2019年1月16日水曜日

Amazonで売ってるRFプリアンプを自作ケースにいれて‥失敗談


この投稿は初心者の方向けの内容です。
こんな風にやってはダメよという失敗例として読んでください。
内容的には古いです。
2023/9/2 update
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アマゾンで売られている中華RFプリアンプ、ご存知の方も多いと思います。商品名は“HiLetgo 0.1-2000MHz RF 広帯域アンプ 30dB(デシベル) ハイゲインモジュール”とされていますが、MMICはINA-02186のようです。とにかく安いですよね。

受信用のプリアンプなど、いろいろな用途が思い浮かびますが、基板のままというわけにもいきません。他の方々のブログにもありますが、このアンプ、ゲインが高く発振しやすいようです。自分もケースに入れて使えるようにしてみたのですが‥、いい加減にやったら手こずってしまいました。以下、“ちょっとお粗末な”顛末です。
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このプリアンプは個体によって不良の場合があるらしいので、まずは簡単に動作チェックをしました。

ケースは久しぶりに生基板で作ってみました。わざわざケースを作る必要はないのですが、まとめ買いした生基板が目についたので練習を兼ねて作ることに。もちろん市販されているアルミのケースの方が楽です。

ケースに入れるときBNCを使いたいのでSMAコネクターを外してしまったのですが、これが後々不具合の原因になります。下の写真を見るとわかると思いますが、SMAを外すときに自動はんだ吸い取り器を当てたら一部パターンが剥がれてしまいました。フラックスが飛び散り基板が汚れるし‥(ToT)。はんだを盛ってやればよかったかな。


基板の取り付けは四隅に金属スペーサーを取り付け、そのスペーサーを半田付けしました。スペーサーは基板に瞬間接着剤で止めてから半田付けしました。同じようにやる場合はガスが発生するので注意。

なんか見た目が良くないですが‥


一通り配線が終わって通電すると006Pの電池が熱くなります。どこかがショートしています。ルーペで見ると、Vcc直近のチップコンデンサに飛び散ったはんだが付着してショート
していました。テストの度に配線を外していたので、そのときに付着したようです。


基板に使われてるはんだの融点が高いので、鏝でやや高熱をかけていました。そのためフラックスで基板が汚れてしまうし、はんだは飛び散るし‥。チップコンデンサーを無傷で外すことはできないので、手持ちのものと交換しました。値は104。下の写真は作業の途中ですが「良くない見本」です。コネクタのhotもcoldも基板に直結にしたいところです。そもそもパターンがSMAなのにそれを外してBNCに拘ったのが間違え。


はじめにケースに入れたときはパターンをショートさせたくないので、コネクターのGND(cold)をケースの底にスズメッキ線で落としました(この雑な配線が不具合の原因に)。配線を終えてハンディ型の広帯域受信機でテストです。

はじめホイップアンテナをつけたときは問題なかったのですが、屋外のGPを着けたときに異常が出ました。

433MHz帯のFMを受信していると、信号のレベルが上がりSメーターが振り切れますが、音がブツブツ途切れることがあります。20dBのアッテネータを入れるとちょうどよくなります。

発振気味ですが、ハンディ機が高感度なのでこんなものかと思って一度はケースに蓋をしてしまいました。ネジ穴止めではなく半田付けです。カッコ悪い??デカい??



でも、やっぱりオカシイ。144MHzのホイップをつけただけで、深くかけたスケルチが開いてぶぶぶぶぶ~と音がでます。完全に発振しています。仕方がないのではんだを全て吸い取って蓋をあけ、配線をやり直しました。なんてこった!

BNCコネクターのGND側をケースの底を落とすのではなく、最短で基板に結線するようにラグ端子を使って工夫してみました。直にパターンにはんだ付けするべきですが無理に無理の重ねて、、リングが届かないしデカすぎる。一応電源のジャックの直近に104の積セラを追加です。


(恥をしのんで最終版の写真。なんだかなぁ、コネクターとの結線が長くなってしまいVHFまでということで‥。コネクターについている黄色いものは、ゆるみ防止の接着剤です。)

やっぱり?、in、outはSMAコネクターのまま使った方がいいです。Amazonでコネクター付ケーブルを売ってますから、途中でカットしてストリップして配線してください。適当に配線するとパターンの寸法が変わってしまい、インピーダンスが狂ってしまいます。GNDへの接続が中途半端だと信号がループして発振の原因になります。基板はガッチりケースに接続して電位を安定させましょう。

GNDは最短で‥基本でありました。
┐(´д`)┌ヤレヤレ

ようやくぶぶぶぶ~が消えました。ちょうど433MHzで埼玉県内の移動局が綺麗に聞こえました。このままGPに繋ぎかえてもメーター振り切れ、ぶぶぶぶ~もありません。



なんだか随分と大回りをしてしまいました。
でも、動作が安定してからは快適に受信できています。

市販されている受信用プリアンプはゲインが10から20dBくらいのようですが、30dBというのはさすがにゲインが高いです。受信用に使うには状況によってフィルターが必要になりそうです。お値段が安いですから周波数カウンターなどの感度不足を感じるときに使ってみてもいいでしょう。

以上、お粗末。

★★★★
2023/9/2 update
同調回路なしの広帯域アンプですから、リスニング用というより回路のゲイン不足を感じたときに使っています。受信回路の調整でノイズジェネレーターを使うことがありますが、感度が足りない(信号のレベルが弱い)ときに一押し二押しできて便利です。

おしまい。

2018年12月31日月曜日

1球式再生式受信機キット RR-49を作ってみました(中波のみ)

久しぶりの更新になります。タイピングをすると右手が痛むので簡単な投稿です。

CQ出版社の1球式再生式受信機キット RR-49、RegenerativeReceiver RR-49を作ってみました。49はCQ(しーきゅー)にひっかけててるんだろうと思われますが、15W×10D cmの手のひらに乗るコンパクトな真空管式受信機(ラジオ)です。値段がちょっと高いですけれど、たまには真空管式もいいんじゃないかと思ったので紹介します。

自分は完全に半導体の世代ですが、以前に6球スーパーを作ったことがあり、真空管式ラジオも味があって面白いなと思っていました。たまたまwebでキットの発売を知りさっそく注文しました。暮れの21日金曜に届いてさっそく23日に組み立てました。

※ハンダ付け一晩、動作確認と調整一晩、アンテナ設置に半日、仕上げに半日で完成。





部品点数も少ないので組み立て説明書の通りに製作するだけです。説明書はカラー印刷で項目をチェックしながら作業を進めるようになっています。技術的な解説も記載されています。

部品をチェックしいて気づいたのですが、100pFのコンデンサー4個のところ102(1000pF 1KV)が入ってました。容量が違って使えないのでストックしてあったマイカコンデンサー100pFを使いました。400V以上が指定ですからトランジスタ用はNGです。※交換が必要な場合は販売元に連絡してください。


 製作はそのものは特に難しいところはありませんが、説明書の通りにやってうまくいかないときは臨機応変に進めます。組立の行程と回路図、実体配線図をいったりきたりすることになるので別にコピーをとった方がやりやすいかもしれません。自分は大変狭いスペースで作業をしているので、説明書1部だけで“いったりきたり”して組立ました。



ラグ板と真空管ソケットからの配線がGNDに落ちる箇所だけ、シャーシを紙やすりで軽く磨いてネジ止めの際に菊型のワッシャをいれました。念のためにやっただけですので、省いても大丈夫です。


精密プライヤーで部品の足を調整しながら、順番にハンダ付けしていきます。途中で絶縁チューブが不足したので、手持ちのエンパイア・チューブを使いました。


真空管はTELEFUNKEN ECL80/6AB8。3極管と5極管の複合管。





配線は説明書の指示に従ってください。僕の写真では間違えがあるかもしれません。

ネジのサイズも指示に従います。再生バリコンの取り付けは皿ビスの短い方でやらないと羽根にあたって回らなくなります。

通電する前に各所の抵抗値を測りますが、手持ちのデジタルテスターではうまく測れなかったのでアナログテスターで測りました。テスターリードの黒がGND側。

通電後各所の電圧を測るときは手袋をしてください。DC電圧は200V以上かかりますので注意。





一通り作業を終えて電源を入れてみたのですが、音がしません。再生バリコンを右から左へ回すとぶぶぶぶ~とうなりを上げます。それで、配線を点検したらハンダ付けを忘れたところが2か所。それでもシャーシを叩くと唸るのでどこに問題があるのかと思ったら、同調用のバリコンのステータ側からシャーシに落ちる部分の、バリコン側のネジがゆるんでました。これを締めて解決です。

ようやく唸りがとまったので、1メートルほどのビニール線をつけて受信です。が、蚊の鳴くような音しかしません。再生バリコンを左に回すとボッという音がするので、同調バリコンをまわして選局しますが、かろうじて放送波が聞こえるものの再生のビートに負けてしまいます。ケロケロ音です。

バーアンテナ(同調コイルと再生コイルを兼ねる)の両側を指でつまむと、感度アップ。スピーカーから音が聞こえます。


どうやら長いアンテナをつけないとダメなようです。

それで日をあらためてワイヤーアンテナを張り、ベランダの手すりにアースをとりました。敷地が狭いのでワイヤーの全長は7,8m(折り曲げ)、アースは手持ちの薄い銅板でベランダの手すりに容量結合させました。




かなりいい加減なアンテナとアースですが、これでリスニングができるくらいの音が出るようになりました。


再生が強くなりすぎない位置でバーアンテナのコイルの位置を決めて、結束タイで固定。ちなみに再生コイルは簡単にほどけないようになっているので、巻数の調整はしていませ
ん。リンクコイルのホルマル線はバーの下でよじってあります(説明書の通り)。



受信周波数の上限は同調バリコン上のトリマで調整します。トリマをゆるめて容量を抜いていくと上限が上がります。この調整をしないと中波放送帯の上限はカバーしていないかもしれません。(写真では向かって左側のネジ)


そして自分にとっては一番苦手なシール貼りです。前面パネルとシャーシの表面を無水エタノールで拭いて乾かしてから慎重にシールを貼ったのですが‥曇ってしまい透明になりません。クリアなのかと思っていましたが‥。

※アクリルにエタノールを付着させるとひび割れすることがあるそうです。エタノールで拭く場合は手早く、短時間で拭きとってください。心配な方は使わない方がいいかもしれません。




 ムラができるのはこういうシールなのか?、エタノールが残ってた?、シートから剥がした状態で良く観察しなかったのではっきりしませんが、貼り方が悪いのかもしれません。気泡もできてしまい、汚くなってしまいました。大失敗。アクリルの部分のムラは裏側の汚れではありません。あーあ、、(ToT)。

恥をしのんで失敗を公開。スマホやデジカメの液晶画面にシールを貼るのはできるんですけど‥。微妙な凹凸があったかな。


 途中でやりなおそうとしたのですが、粘着力が強くて簡単にはがれないので諦めました。このシールは剥がすと再び貼ることはできませんので注意してください。仕方がないのでPCかテプラでシールで作りなおしたいと思います。(シールには“Power”の文字もあったようなのですが、貼り忘れてしまいました)

結果論ですが‥組み立てたあとからシールを貼るのは難しいので事前に貼って養生して組み立てた方がいいかもしれません。そのときにメンディングテープなどでラインを引き、水平を出すなど工夫が必要です。

組立後シールを貼る場合は、台座を工夫してシャーシをガッチリ固定してから貼ってください。不安定な状態で作業をすると集中できません。

それと前面のパネル、特にスイッチのナットを締めるスパナやレンチは先端を養生テープで覆った方がシャーシに傷がつきません。自分は面倒なのでやりませんでしたが、作業中にシャーシに傷がつきやすいので、できれば養生テープを貼った方がいいです。



 最後にアクリル板で底板を作り、両面テープで貼りつけました。手持ちのアクリル板が1ミリで、久しぶりにアクリルカッターを使ったので上手くカットできずに苦戦しました。ゴム足(シール付き)をつけて完成。


 






完成写真。シール貼りを失敗して綺麗な仕上がりではないのですが、こんな感じになりました。



最後に自分なりにわかった受信のコツです。再生バリコンを右に回し切った状態(無音)から左へまわしていくと、ブッという音がして、さらに左にまわしていくとシャーという音がでます。同調バリコンをまわして選局するとビートがかかった状態で受信できるので、その状態で再生バリコンを右にまわして再生のレベルを落として一番聞きやすい状態にします。ビートが残ったり、音が抜けてしまう場合には、再度同調バリコンと再生バリコンを調整します。

当地ではNHK東京・第一、第二、在京民放、AFNすべて聞こえます。AFN(810kHz)は信号が強すぎて、うまく再生バリコンの調整ができません。それとアースをつけた方が信号の流れが良くなるので、できればあった方がいいですよ。

ボリュームはないので再生バリコンで調整します。スピーカーから出る音は室内で聴くには十分ですが、音質は硬めです。ガツンと聞こえるわけではありませんが、“風流”を楽しむのには丁度いいかも?

このキットは7MHz受信機への変更用パーツがついています。7MHzへの変更には中波用コイル(バーアンテナ)をはずして7MHz用コイル(トロイダルコア)をとりつけます。また、説明書には3.5MHz用コイルの説明も記載されています。

このキットの本来のコンセプトは“黎明期のアマチュア無線の雰囲気を楽しむ”ことのようですので、気が向いたら7MHz用受信機に変更してみたいと思います。

再生検波・電力増幅 6AB8/ECL80
中波用の受信周波数:492kHz~1670kHz
※ディップメーターで測ったおおよその周波数です。
電源電圧:AC100V

以上








2017年1月25日水曜日

7MHz ダイレクトコンバージョン受信機 Sparrow40 Type-Eを製作しました

※この投稿の内容は古いです。

CYTECさんのダイレクトコンバージョン受信機(7MHz)のキット、Sparrow40 Type-Eを製作しました。

回路の構成

検波段 2SC1815 ×3
AF段、サレンキーType LPF、VFO発振段、VFOバッファ段 各 2SC1815 ×1
低周波増幅 LM386
VFO バリキャップ 1SV101
動作電圧 DC12V

ゆっくり作って3日ほどで基板は完成しました。通電して一発で動作。

調整はVFOのトリマコンデンサを動かして発振周波数を調整、コイルのT2を動かしてVFOの出力を最大にします。アンテナを接続して実際の信号を受信しながらアンテナコイルのT1を調整、音が大きくなるようにします。※下の画像は完成した基板ですが、一部オリジナルとは違う部品を使っています。



ケースはタカチのYM-150に入れました。ケース加工は得意ではないので、デザイン的に凝ったことはできません。

同調用のボリュームはヘリカルポテンショメータに交換、普通のボリュームより操作性がずっと良くなりました。アンテナとの間に10KΩのボリュームをアッテネータとして追加しましたが、これはなくてもよいです。




受信音が静かです。実際のQSOを受信してみると、なかなかの高感度、周波数も安定しています。聴覚的に気になるようなドリフトはありません。ただし夜になって北京放送がはじまると厳しくなります。※アンテナはモノバンド・バーチカルアンテナを使っています。

残念ながら、このSparrow40 Type-Eのキットは現在販売されていません。一般に、ダイレクトコンバージョン受信機は構成がシンプルで製作が容易です。完成後音を出して鳴らす楽しみもありますから、初心者の方にお勧めです。同じキットは手に入らなくても製作例はいろいろありますから、一度挑戦してみてください。

※受信周波数は、6.998-7.140MHz付近に収まりました。
※2006年7月 購入、2012年7月 キット製作、2017年1月 ケース加工・完成

以上です。

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2017年1月21日土曜日

サトー電気 3.5MHz ダイレクトコンバージョン受信機を製作しました

※紹介されているキットは現在販売されていません。

サトー電気さんの3.5MHzダイレクトコンバージョン受信機キットを製作しました。ネット上で7MHz版を製作された方の投稿をいくつか拝見しましたが、3.5MHz版の投稿は見かけない(?)ようなので投稿にまとめました。構成は7MHz版とほとんど同じです。


★回路の構成

高周波増幅:3SK114 ※ゲイン調整可
周波数変換、局発:NE612
作動増幅、ローパスフィルタ:RC4558
低周波増幅(オーディオアンプ):TA7368P
VFO バリキャップ 1SV101
動作電圧:DC9V

バリキャップと可変抵抗器(ボリューム)で周波数を変化させます。ダイレクトコンバージョンですので中間周波数への変換はありません。高周波増幅のゲインを可変させることができます。

製作で特に難しいところありませんでした。ゆっくり作業して3日で基板は完成しましたが、トロイダルコアに塗った高周波ワニスが固まるのに数日かかりました。通電して一発で動作です。




調整も簡単でした。局発が発振していることを確認したら、周波数を調整します。チューニング用のボリュームを真ん中の位置にして、トリマを調整してバンドの中央くらいになるようにします。L1、L2、L3は調整しても大きな変化を感じなかったのでそのままです。

ケースはタカチのYM-150にしました。ケース加工は得意ではないのでカッコよくできませんでした‥。



3.5MHz用のマイクロバート・アンテナを接続して受信していますが、なかなかの高感度です。周波数も安定していて、気になるようなドリフトはありません。しかし‥チューニング用のボリュームはヘリカル・ポテンショメータにすればよかったです。普通のボリュームでも大丈夫ですが、ヘリカル・ポテンショメータの方が操作性が良くなったはずです。


夜な夜なOMさんたちのQSOが良く聞こえます。ダイレクトコンバージョンは音が軽くて聞きやすいですが、コンディションが良いときにQRMが激しくなると厳しいです。製作が簡単で完成後も受信して楽しめるキットですが、随分前に販売が終了してしまいました。スチロールコンデンサなど今となっては入手が難しい部品が使われているので仕方がありません。

※最終的に受信周波数は3.500~3.575MHz付近に収まりました。
キットの製作 2012年7月、ケース加工、完成 2017年1月

※書籍(保存版 電子工作キット回路図全集 1998年版 マガジンランド)に回路図(部品の定数なし)が掲載されています。

以上です。




















2017年1月2日月曜日

電源用ラインフィルタを製作しました(アマチュア無線のインターフェア対策とノイズ対策・2種類)

※この投稿に“オーディオ”に関する記載はありません。

最近、電源用ラインフィルタを2種類製作したので投稿にまとめました。

1台目はコモンモード用です。いままで安定化電源のAC側には、コモンモードチョークとして、フェライトバー3本をまとめて、それに電源コードを巻いていました。特に問題はなかったのですが、簡単すぎるかな?、ACコードを狭いピッチで巻くのって安全面でちょっと気になる‥など気になる点がありました。

気にしているくらいなら作り直そうと、手軽に作れる製作例を探していたところ、大進無線さんのサイトでクランプ型コアを利用した電源用コモンモードフィルタを見つけました。これを参考にさせていただき、同じようなものを作ってみました。

※大進無線さんのコモンモードチョーク・DCK-SRH(ACコードコモンフィルタKIT)がオリジナルのネタ元です。私が模倣して作ったものなので、完全に同じものになっているのか、わかりません。






使っているクランプ型コアは星和電機のE04SR401938・2個とTDKのZCAT3035-1330・
1個です(下の画像)。

大型のE04SR401938(左右に一個づつある大型コア)は今回はじめて使ってみたのですが、内径が19ミリ、ネジ穴がついているので台座に固定することができます。カタログを見ると巻き数が稼げれば、HF帯でもフィルタに必要なインピーダンスが得られそうです。

TDKのZCATシリーズはノイズ対策をやられたことがある方なら、ご存知かと思います。HF帯では数と巻き数が必要になりますが、VHF以上になるとやや使いやすくなります。

星和の大型コアとTDKのコアを組合わせることで、HF~LowVHFまで使えるんじゃないか‥と期待していますが‥どうだろう。



製作そのものは難しくなく電源コードをクランプさせるだけです。1.25SQのVVF(電源コード)がE04SR401938で6ターン、ZCAT3035-1330で4ターンクランプさせることができました。大型のドーナッツコアで作った方がインピーダンスを稼げそうですが、クランプ型ですとコードを裂く必要もなく製作は簡単です。同じものを2台作りました。



電源はGSV3000を2台使っています。それぞれにHF100W機が1台づつ、他にVUHF機、50MHz用リニアアンプ、周辺機器が繋がります。連続して送信することはまずないので、電流容量としては大丈夫だと思います。※AC100V 12A 見当 コモンモード用



★★★★

製作に使った材料(1台あたり)

星和電機 E04SR401938 (分割フェライトコア) 2個
TDK ZCAT3035-1330 (クランプフィルタ) 1個

電源コード(平形コード):OHM VFF-125-20W (白) 2.2~2.3m使用
電源プラグ、ソケット:パナソニック 4512P
丸型圧着端子

木(板):東急ハンズで売っていたものを少しカット
4ミリのステンレス・タッピングビス
(星和の大型コアには4mmのネジが通る取り付け穴があります)

E04SR401938(カタログ)・星和電機さんのサイトです。
http://www.seiwa.co.jp/product/upload_doc/E04SR.pdf

ZCAT3035-1330(カタログ)・TDKさんのサイトです。
https://product.tdk.com/info/ja/catalog/datasheets/j9a15_zcat.pdf

大進無線さんのコモンモード・チョーク・フィルタ DCFシリーズのページ
https://www.ddd-daishin.co.jp/dcf/dcf.htm


★★★★

2台目はディファレンシャルモードとコモンモード用です。製作というほどのものではありませんが、一応紹介します。

最近アクティブアンテナのノイズ対策をしてみて、電源の大切さを再認識しました。アクティブアンテナにはアンプが実装されていますから、ACアダプタなどの電源そのものが発生するノイズ、そして屋内配線側(コンセント)から流れ込むノイズの影響を受けやすいです。

屋内配線側のノイズ源を探してみると、その一つが同じ室内にあるUPS(無停電電源装置・スイッチング電源)であることがわかりました。UPSのコンセント側と負荷側(PC側)の両方にノイズが流れ出てしまっています。試みに手持ちのACラインフィルタ、NEC/TOKIN TA-2060 (AC125V6A)をコンセント側に入れると、すーとノイズが低減します。※負荷側に入れても効果がありました。

それでUPS(2台)に常時ACラインフィルタを入れることにしたのですが、TA-2060は6Aまでですから、もう少し電流が流せるACラインフィルタが欲しいところです。適当なフィルタを探して部品屋さんに行ったところ、TDKラムダ MZ1216(AC250V 16A)が手に入りました。





※追記:AC100Vのコードがずぼっと抜けないように、グロメットの内側の部分にインシュロックタイ(結束バンド)を巻いて抜けないようにしてください。写真では巻いてません。

本体をむき出しで使うわけにいかないので、アルミのケースに入れました。製作にかかる手間はアルミケースの加工がほとんどで、ご覧のように配線は簡単です。フィルタのグランド(アース)がケースに落ちているので、なんとなくアース端子をIN、OUT両方につけてみましたが‥余計でした。

※金属のケースにそのまま固定したので、たぶん‥Yコンデンサがケースに接続されたことになります。“たぶん”というのは筐体のシールに印刷されている回路図ではわからないからです。地面に接続するアースがない場合、感電の原因になっているかもしれません。フィルタのグランド(アース)をケースに導通させるのかどうかは、各自で判断してください。






このACラインフィルタにどの程度効果があるのか、大雑把な確認法です。BCLラジオでUPSから漏れるノイズを受信します。UPSの電源コードをコンセントから外して、このフィルタを挿入してから再度コンセントにつなげると、フィルタ無しのときよりノイズが低減するのがわかります。このようなテストを4-10MHzでやってみたのですが、まぁまぁ効果がありました。ちなみに当方で使っているUPSのノイズは、7-10MHzあたりで目立ちます(強くなる)。

★★★★

製作で使った材料

TDK ラムダ MZ1216 (AC250V 16A)
※ディファレンシャルモード、コモンモード両用ノイズフィルタ

アルミケース たぶん‥タカチ MB-12 手持ちのものを使いました

ボディコネクタ OHM HS-H15GB
ゴムプラグ OHM HS-H15GP

VCTFK 1.25SQ

グロメット PG-9 2個

圧着端子 丸型 Y型

ゴム足 4個

ネジ 3ミリ、 4ミリ

インシュロック・結束バンド

★★★★

以上、2種類の電源用フィルタを紹介しましたが、必ず効果があるものではありません。

そして‥

どちらも民生用(一般向け)ではありません。アマチュア無線のインターフェア対策、ノイズ対策用として製作したものです。くれぐれも交流100Vの扱いは慎重にしてください。自信のない方は既製品を使った方が無難です。

以上、です。

73 all

★★★★

追記

NASが接続されているUPS用に、もう一台必要になったので、TDK ラムダのACラインフィルタ、ZAC2210-00Uを購入しました。こちらはタッパに入れました。筐体表面の回路図を見ると、キャンセル巻のチョークコイルが直列で2個入っているようです。Yコンデンサのアースは浮かせてあります。こちらは10Aまでですので、NASが接続されているUPS(1台)とコンセントの間に入れました。






追記は以上です。

※更に追記:AC100Vのコードがずぼっと抜けないように、グロメットの内側の部分にインシュロックタイ(結束バンド)を巻いてください。写真のものには巻いてません。