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2024年8月29日木曜日

台風・低気圧の度にアンテナを上げ下げするのは、自分にとって現実的でない件

 久しぶりの更新です。一応生存してますの意味を込めて投稿します。この間「移動しない局」の再免許が完了しました。年末で45年経過したことになります。

 さて、2024年台風10号(サンサン・Shanshan)接近に伴いバルコニーの50MHzデルタループをマストごと下しました。 東京に2024年台風7号(アンピル・AMPIL)が接近したときも同じ処置をしたのですが、下すべきかどうか、どのタイミングで下せばよいのか考えてしまいます。作業時間は30分もかからないのですが、はっきり言ってめんどくさく億劫です。足元が濡れていると滑りやすく、風が出てしまうとマストが煽られ危険です。結局今日の午後やや雨脚がおさまったタイミングでポンチョを着て作業しました。



 マストはテレビ用で3m程の長さがあります。手すりに固定しているUブラのナットを緩めて、せーの!でマストを引き抜くのですが、ちょっとスリリングな作業でした。

(今さらですが同じバルコニーに放置してある脚立を使えば楽だった)

 強風で手すりに負荷をかけたくないので下すことにしたのですが、もう少し負荷のかからないアンテナの建て方はできないものか思案してます。狭い敷地、狭い屋上とバルコニーしかありませんので、あちらが立てばこちらが立たず、短いマストで上げれば楽ですが建物に近接してしまい上手くいきません。

寝かせたアンテナとマストは床で水没しないようにレンガで浮かせ、手すりの根元にベルトで固定しました。コモンモードフィルターのケースには小さな水抜き穴が開いてるので、融着テープで塞いでおきました。以上、お粗末。





2024年1月3日水曜日

運用再開・ナガラRV4J 架設して1か月経過

 みなさん、明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

★★★

さて、RV4Jを架設、運用を再開して1か月が経過しました。交信に関して実績はDX1局(後述)、受信に関してはまあまあ思ったより聞こえるという印象です。以下この1か月間の出来事と雑感です。※カード交換ができないため原則受信のみです。

★思わぬ⁉いやいや良くあるアンテナ・給電ケーブル系のトラブル発生

昨年12月の第一、第二土曜、日曜は14MHzの国内向けのコンディションが大変良く西日本、九州方面のOMさんたちのQSO(ラグチュー)が良く聞こえていました。14MHzは傾斜型フルサイズダイポール、V3X、HT3などを使ってきましたが受信に関しては、そのどれもよりマシな感じがします。14MHzってこんなに聞こえたかな?という感じです

もっとも定量的な比較はできません。屋上に林立していたアンテナ、ルーフタワーを全撤去し相互の干渉から解放されたのと、長年のIC-706 2台体制から脱却をはかりTS-590SGへ移行した結果、操作性の良さとノイズリダクションで心理的に余裕が生まれた結果かもしれません。

ところで、TS-590SGの「AT」ボタン、つまりオートアンテナチューナーのボタンを長押しするとチューニング(マッチング)の動作をするのですが、この長押しをしたとき微かにCWが聞こえます。何度押しても同じように聞こえます。それとディスプレイを良く見るとオートアンテナチューナーがスルーになってます。つまりチューニングできない。

RV4J(HF帯)でSSBを送信するとパワーメーターは振れますがALCがまったく振れません(電源装置の電流計もあまり振れない)。50MHz用のデルタループでは問題なくチューニングもするし、ALCも振れます。この時点で終端型電力計でチェックすれば良かったのですが、TS-590SGは3年前に中古で買ったもののほとんど使わないまま運用を停止してしまったので、リグの挙動が全くわかりません。

明らかにアンテナ系のトラブルですが、実際に交信をしないのでトラブルをトラブルと認識できないまま半月以上が経過しました。

そもそもTS-590SGの使い方がわかっていませんので、取説を初めから読み直したのですが、そこでようやく気が付きます。「AT」ボタンを長押ししたときのCWはTS-590SGからの警告音で符号は「SWR」、つまりSWRが高くチューニングが取れないという意味です。


えーーーそんな!

アンテナの調整は出来てるはず!

シャックでもSWRとインピーダンスを測定している!


古いリグをずっと使ってましたからリグ内臓のSWR測定機能など使ったことがなく、アンテナチューナーもめったに使わない、SWRメーターでの監視は30年くらい前まではやってましたが今は使っていません(いろんなものを繋ぎたくない)。

でも、状況からすぐに推測できました。リグ直近のCMFとリグの間の中継ケーブルに不具合ありです。試しに繋がってる中継ケーブルを介してアンテナアナライザーでSWRを測ると各バンドSWRは5以上あります。つまりこの状態で「思ったより聞こえる」なんて感じていたのです。

中継ケーブルの不良箇所もすぐにわかりました。コネクタのGND側が両端で導通がありません。正確には完全な断線ではなく接触不良です。この中継ケーブルはあるショップで購入したもので5D-FBケーブルの両端に50Ω整合型UHFコネクタ(プラグ)がついてます。たぶん中華モノです。2本購入したうちの1本で、もう1本が正常だったので気づかなかった。

分解してみたところ編組の処理はできていましたが、ナットの締め付けがあまく接触不良になっていました。ナットを強く締め付けることで解決しましたが、気分的に良くないので自作のケーブル(5D-2V+MP)に交換です。※50Ω整合型はN型コネクタに構造が似ていて編組側をはんだ付けする必要はありません。



何事も実際に運用する状態でチェックをしないのがいけないのですが、あれやこれやCMFだなんだをアンテナ系に入れるとどこまでチェックしたのか、測定用のケーブルだったのか実際に運用するためのケーブルだったのかわからなくなります。そして、、いい加減面倒くさいなあと思い出すと必ず何か起きる。

経験的にコネクタと同軸ケーブルのトラブルはショップ任せ(取り付けてもらう)や既製品の時に起こります。自分でコネクタを取り付けるとテスターとアナライザーを使ってしつこいくらいチェックします。なぜなら必ずどこかに不備があると考えるからです。

しかし既製品を手に入れると「お金をかけて買ったのだから正常なはずだし、動作確認なんてするくらいなら既製品の意味はない」というある種の「正常性バイアス」が働き「安全神話」の罠に陥る。そして甚だつまんないミスを犯し、金と時間を無駄(場合によっては数週間から年単位)にして、時に大恥をかいて自己嫌悪に陥ります。

この際ですので自分用に「めんどくさがらずにやらないといけないことメモ」を残しておきます:既製品のコネクター付ケーブル(モービル用を含む)、デュプレクサー、トリプレクサー、LPF、CMF、アンテナ切り替え器、ダミーロード等は使う前に動作確認をしましょう。変換コネクタやL型コネクタも同様にする。アンテナアナライザー、ネットアナ、ダミーロード(疑似負荷)があれば簡単にチェックできます。


さーて、中継ケーブルを正常なものに交換した結果どうなったかな?


各バンドともSWRは概ね事前に測定した数値に収まりアンテナチューナーもマッチングを取ってくれます。受信はGND側が結合していたのかあんまり変わらない。。。

このことは深く追求しないことにします。


★ようやく年末1局だけSSBで交信

クリスマス明けの夜、7MHz SSBでインドネシアの局が大変強く入感していました。QRZ.COMを見るとNO カードでもOKのようでしたので思い切って呼んでみました。コール一発でとってもらえましたが、バーチカル+100Wではやはり苦労させてしまったようで59/51(たぶんオマケ)でした。他のJA局はダイポール+50Wで59+をもらってましたから、バーチカル+非共振型・容量結合groundではこの程度かと思います。その上インドネシアの方向はマンションや町田駅周辺の商業ビル群が並んでいて展望が悪いです。先方のモノバンド3ele八木と200W送信に相当助けられました。

これまで使ったバーチカルアンテナも受信は良くても送信はイマイチでした。実際モービルホイップと大差ありません。特に短縮率が高い7MHzではその傾向が顕著です。※逆に送信は良くても受信はイマイチという方もいます。


★年が明けてQSOパーティ

2日からのQSOパーティで7/14/21MHzで集中してSWLができました。これまで受信のチャンスがなかった21MHzで国内6エリアの交信が受信できたので一応使えそうです。ミニマルチのHT3(14/21/28MHzバーチカル・3年程度使用)では14/21MHzで実績一切無しでしたので、RV4Jで受信だけでもできているのが救いです。その他建物でブロックされてる北関東、千葉県(北部)、7、8エリアも7/14MHzでSSB、CWで受信できています。「そのくらいできるでしょ」といわれそうですが当地では北東の方向はNGです。


★無事「移動する局」開局

昨年11月の投稿で愚痴ってしまいましたが、「移動する局」の再免許申請を失念してしまった件です。無事開局申請が通り免許の月日が途切れることなく免許されました(12月某日)。しかしながら保証に関してはやり直しです。重い腰を上げて溜まった自作機も併せて保証願と変更申請をしなければと思った矢先、TSSさんの保証業務終了のニュースが入りました。ならば正月休みに一気に書類を準備しようと意気込んでいましたが、年末には日ごろの疲れが出て息切れ、年始には大きな災害・事故・火災が続き映像を見るだけで気が滅入った。

冗談抜きで

今年は生き残れないような気がしてきました。

無線なんかより身辺整理です。

ということで

今年の目標は「更なる整理と縮小」としました。


以上






2023年12月3日日曜日

ナガラ RV4J建立・2年半ぶりに7MHz帯を聴くまで

 V4XHの架設断念で年内の無線再開は諦めかけたものの、なんとか受信だけでもできるようにしたい。。。そこでずっと重量が軽いナガラRV4Jを設置することにしました。12月が近づくにつれ朝晩冷え込むようになり、少しでも陽気がいいうちに作業をしないと年内はチャンスがなくなってしまいます。

以下、RV4Jの組み立てと調整までの記録です。自分用のメモとして、また、どなたかの参考になればと思い投稿にまとめましたが、残念ながら再現性については一切保証できません。片側を自分で用意するバーチカルアンテナはそういうものですので、そのつもりで読んでください。ここで紹介する作業は、すべて1人で行い3日間かかっています。



★★★★

まずは取説にある仕様から。

↓↓↓

MODEL RV4J

7/14/21/28MHz Vertical Element

エレメント長 5.2m

重量 1.8kg エレメント本体

受風面積 10㎡

耐 電 力 300w(原文まま)SSB ・100wFT8(原文には注釈あり)

適合マスト径 38~61mmΦ

★★★★

上記の仕様を書き写しながら気が付いたのですが、ElementとあるようにバーチカルアンテナではなくてElementなんですね。確かにこれだけでは完成したアンテナにはなりません。

★★★★

実はナガラさんのアンテナは初めてです。開封したらさっそく組立開始。難しいところはありません。パーツが揃っているか確認、各部の寸法をチェックしながら組み立てるだけ。







※↑上の写真の白っぽく見えるところがグラスファイバーポール

旧モデルのV-4Jrより適合マストの径が太くなったので、Cチャンネルの部分が大きくなったのかと思いきや、実際には絶縁用のグラスファイバーポール(サブマスト・FRP)とマストクランプが追加になっています。旧モデルは使ったことがないので細かい差異はわかりませんが、ほぼ同じ?


※↑上の写真の黒い部分は自己融着テープ。説明書には記載はありません。

ちなみにコイルは2個あります。自分のやり方ですが、エレメントとエレメントの繋ぎ目には導電グリスを薄く塗布、ネジ類にも僅かにグリスを塗ります(滑りが良くなり作業が楽)。組立が終わったら繋ぎ目やセルフタップネジの上から自己融着テープを巻き、全体にテナコートを塗り仕上げます。

そして、ちょっと面倒くさいのが給電用ケーブル先端の処理です。以下に自分がやった例を紹介します。あまりカッコ良くないけど。




給電点用の同軸コネクタはついてませんので、自分で同軸ケーブルの先端を処理します。特に決まりはありません。自分は同軸ケーブル(5D-2V)の先端を20cmくらいストリップし編組を5cmくらい残しカット、芯線(外皮付き)をむき出しにします。アース用の電線(5.5SQ?)の先端をストリップして、残した編組にスズメッキ線で留めてからはんだ付けしました。はんだごては熱量のあるものを使ってしっかりはんだ付してください。

露出してる部分の絶縁と防水用にシリコンボンドを塗ったのですが凝固に一晩かかってしまいました。作業効率を考えたらホットメルト接着剤が良かった。固まったシリコンボンドの上から自己融着テープを巻きさらに補強。hotとcoldそれぞれ先端に圧着端子を圧着もしくははんだ付け、接合部にも補強と防水を兼てホットメルト接着剤を塗りました。

※hotとcoldがショートしないようにしっかり処理してください。ショートした状態で送信するとリグのファイナルがぶっこわれます。

さてさて、バーチカルアンテナで肝心なラジアル・カウンターポイズ・所謂アースをどうするかですが、組立説明書によると共振型ラジアルを各バンド用意してGPやアローラインのように設置するのが推奨になっています。我が家の場合、共振型ラジアルは張れなくもありませんが、屋上の床やバルコニーの手すりに近接してしまうのでよろしくありません。調整しきれない可能性があります。そこでまずは非共振型・容量結合でやることにしました。具体的には建物の鉄骨との結合を狙います。これで上手くいかなかったら共振型にするということで。


cold element(自分なりの言い方)は使い古した同軸ケーブル・5D-2V、5mを2本用意して芯線と編組をショートさせて圧着端子に圧着しました(↑上の写真)。給電用ケーブルと同じように補強と防水処理をします。まずこの2本からスタートです。

屋上に持ち上げマストに取り付ける作業は(1人で)いとも簡単に完了。風が吹いていないタイミングを見計らってスルスルと持ち上げて、マストにストンと落としました。片手でエレメントを保持しながら、スパナでナットを締めて位置決め。止まったらラチェットレンチで締め付けて完了。

※↑上の写真はマストに取り付けてcold element 2本取り付けて直角に展開したろころ。専属カメラマンがいないのでいい写真がない。

バーチカルアンテナがおもしろくなるのはココから。調整開始。cold element 2本を直角に展開してMFJ-259BでSWRとインピーダンスをチェック。結果は7MHz帯以外はSWRが高くて使えません。それでも7MHz帯だけでも使えるようなので一安心、精神的に楽になりました。箸にも棒にも掛からないのは困る。。

この日の作業は終了して、翌日は追加のcold elementを4本製作。製作時に気づいたのですが、アマゾンで購入したS5CFBはアルミ編組で圧着端子にはんだ付けできません。圧着工具で圧着しましたが、はんだ付けしたい方は別な線材を使ってください。自分は同軸ケーブルを利用しましたがストリップや防水処理がかなり面倒くさいので、IV線などの方が処理が楽です。既製品もあるそうなので、その方がずっと楽でしょう。


翌々日3日目、cold element 4本増量。計6本でトライ。



まずは放射状に展開しましたが、7MHz帯以外はNGです。そこで3本づつ輪に束ねてみたところ、あっけなく決着……したことにする。各バンドSWRが一気に下がってなんとか使えそうです。いやいやダイジョウブだって!
※↑上の写真で見える黒い円筒形のものはCMF。丸環についてるワイヤーと碍子はこのアンテナとは関係ありません。

※↑写真は給電点周辺。cold elementを止めてる蝶ナットは手持ちのものでアンテナに付属してません。

これ以上elementを追加してみても劇的な変化は期待できません(タブンね)。
あれこれこ面倒くさい、もう疲れたというともあり、取り合えずこれで使ってみることにしました。非共振型・容量結合ですから高効率は望めません。どうにもならなければ改めて調整です。

※ここで計測したSWRやインピーダンスの数値はあまり正確とはいえず、再現性も低いので記載は省略します。自分の場合SWR3.0以下で概ね共振していると判断したらそれでヨシとします。各バンドSWR1.7~3.0の範囲に入ってます。29MHz帯はSWRが高く使えません。容量結合あるあるでバンドの低い方、オフバンドに合っています。またアナライザーが示すインピーダンスは低くなります(50Ω以下)。SWR1.5以下厳守の方には許せない状況ですネ。


さて、さて、さて、シャックに同軸ケーブルを引き込んでTS-590SGに接続、さっそく7MHz帯を受信してみます。2年半前にアンテナを撤去したときと比較できませんが、まあまあ同じように聞こえているようです。ノイズっぽさも変わりなし。

ほっとした。

ここまでいろいろあって

本当に長った。


※高所の作業はくれぐれも注意してください。
  1人が無理なら助っ人を頼むこと。
 体調が悪い、集中力を欠くと思ったら作業を中止すること。
 できないと思ったら業者さんに相談しましょう。


以上。





























2023年11月20日月曜日

ミニマルチアンテナ V4XH 建立ならず断念

 2年前に購入して設置するタイミングを見計らっていたミニマルチアンテナのV4XH・バーチカルアンテナ。昨日の午後気温が上がり無風のタイミングで作業にかかりましたが、結論から言うと失敗、設営は断念しました。




今回の作業には大前提があってすべて「1人でこなす」ということです。もはや手伝ってくれる人はいません。これからは1人で構築して1人で管理して撤去も自分1人でできるもの、1人でできないものは諦める…そう決めました。









バーチカルアンテナですから組立は簡単、1時間もかかりません。バルコニーに部品を並べ開始です。何回も組み立てたミニマルチさんのアンテナですから説明書をざっと見て給電部側の太いエレメントから接続してねじ止めをするだけです。仮組が終わったら各部の寸法を確認。よっこいしょと手すりに立てかけ、さらに屋上のふちに立てかけたときのことです。

重い!

重いだけではなくてぶっといトラップコイル2個がエレメントの中段から上に接続されているのでトップヘビー、最下部のエレメント周辺にかかるモーメントが半端ないです。ゆらゆら、ゆらゆら。この時点で嫌な予感が…。


全長6m、重さ6kg、トラップコイル2個をあまく見ていたわけではありませんが、想像した以上の重量感です。バルコニーから3m高い屋上に上ってヨイショヨイショと引き上げました。さーて問題はどうやって全長1mのマスト60φに取り付けるか。マストは既にステーアンカーにごっつい金具で固定してあります。


※↑上の写真は古いです。今回は撮り忘れた。マストの長さ1mです。


これまでV40LDX、V3Xと全長8mクラスのバーチカルを使ってきました。V3Xは1人で上げたので、Uボルトの幅だけ調整しておいてせーの!で持ち上げてストンとマストに落としこみました。その成功体験があったのでV4XDも1人でいけるでしょと高を括っていた。

V3Xより2m近く短いものの重量は2kgほど重いです。それにV3Xはコイルがひとつ、こちらは2つ、ゆらゆら感がだいぶ違う。


無風になったタイミングで意を決してせーの!!でV4XHを持ち上げます。マストに沿わせてボルトにひっかけ、せーの!せーの!!。が、1mのマストの上部まで給電部Cチャンネルの底辺が上がらない。


ゆらゆらぐらぐら……ゆらゆらぐらぐら……腰を落としてなんとか勢いで試みますがダメ。あと30cmいや20cm!。11月下旬だというのにやけに西日が強く感じられる。全身に汗が滲んでくる。


ダメだ、支えられない、上がらない。

最後の20cmが上がらない。


一息ついて作戦変更。一度バルコニーまで下して最下部のCチャンネルが繋がってる最下部のエレメントを外して、その部分だけマストに接続。そこから上のエレメントを持ち上げて最下部のパイプ(エレメント)に落とし込むという強引な作戦です。V4XHの給電部Cチャンネルはかなりの肉厚で強化版らしく重量がありますから、その分だけ負担が軽くなるだろうという算段です。この時点で頭が沸いてる。


決める!決めてやる!とばかりに残りのエレメントを屋上に引き上げますが、まだかなりの重量があります。意を決してせーの!とやろうとしますが、かえって難易度が上がってしまった。内径40mm(推定)くらいのパイプに全長5m以上あるパイプが落とし込めるわけがない。


無理無理、絶対無理、これは諦め。


できないとわかった瞬間、断念を決めました。仮にマストへの取り付けが成功したとしても、エレメント全体の長さの調整や仕上げの工程があるため何度か上げ下げしないといけません。各バンドでSWRが実用域に入ればそこで位置決め、下穴を開け直してタッピングビスで固定、結合部やビスの上に自己融着テープを巻き防水、テナコートを塗って完成です。


つまりこの先がまだまだあるのであって、勢いでマストに落とし込めても先が思いやられる。1人でやる以上このアンテナは諦めるしかない。


たぶんもう一人助っ人がいたらなんとかなるでしょう。これまでアンテナの構築は家族や親せきに手伝ってもらいました。ルーフタワーの建設もそれでできた。でも一昨年全撤去したときに、今後は1人で設置してメンテできる範囲に留めると決めた。


★★★★

一夜明けて高齢の同居人が「様子だけ見たい」とバルコニーにやってきました。V4XHを持ち上げるなり

「こりゃ重い。こんなに(根元に)力がかかるんじゃ、いつか強風でマストが負ける。ステーロープが必要なくらい。諦めろ。」

まあ、そうだよな。




今後のことは、ちょっと頭を冷やして考えます。これから気温が下がるので年内から来年春までは屋外の作業はできません。HF再開は遠のくばかり。

それと今日の作業で自分の腕力や握力が落ちてのを実感しました。漠然と無線ができるのもあと10年くらいと考えていましたが、アンテナが上げられないのでは仕方ない、早々に店じまいするかも。


★V4XH定格(組立説明書より)

使用可能周波数 7,10,14,21,28MHz ハムバンド

エレメント数 1

エレメント長 5.92m

バンド内VSWR 1.5 以下

耐入力 3KW PEP

給電点インピーダンス 50オーム

適合マスト口径 60mmφ

重量 約 6kg

※ミニマルチアンテナさんが廃業されて残念です。

同社から何基もアンテナを買いましたが、アルミが肉厚で強度的に信頼感がありました。

最後に買ったこのアンテナは記念に手元に残します。


★高所での作業や安全性について

僕がいうまでもありませんが、高所での作業は大変な危険がつきまといます。

この投稿では敢えて読める内容にしましたが、一歩間違えると事故につながります。自分だけでなく人も巻き込む。無線をやってるとアンテナには強い拘りがでてきますが、諸兄におかれましてはくれぐれも無理な作業をなさらぬように。



※2023年11月20日、作業終了後に撮影した写真。先週仮設した50MHzデルタループ(同軸の重みでちょっと傾いてる)と飛行機雲と月。50MHzはたまにFT8の信号が聞こえるだけで他入感無し。


2021年6月9日水曜日

アンテナ・ルーフタワーの撤去・解体、無事完了

4月初旬、自宅の改修工事を機会に屋上のルーフタワーとアンテナを撤去しました。

当初、改修工事(外装)は来年を予定していましたが、去年からのコロナ禍で職人さんを集めて行う改修工事がスムーズできるかわからなくなりました。よって今年の前半に前倒しすることになったのですが、屋上の防水シートに新しいシートを重ねるために一度すべてのアンテナを撤去する必要がありました。

バーチカルアンテナなどは自分で撤去できてもルーフタワーと乗せてあるアンテナの撤去が最大の課題です。建てる時は家族や知人に手伝ってもらいましたが、今回は自分でなんとかしなければなりません。上げるときは勢いでやってしまいますが、撤去というのは気がすすまず何もかもが億劫になります。

体力的な限界もあり自力は無理と判断して専門業者さんに問い合わせましたが、なかなか調整がつきません。結局改修工事をお願いした業者さんに解体してもらいました。

ルーフタワーは長年使ったもののまだまだ使える状態、ローテーターも数年しか使ってなかったのですが、再利用しようとすると一つ一つバラすことになり大変手間がかかります。

作業をするのは専門業者さんではないので「綺麗に外す」ということはできませんし、足場に上って自分が指示を出すことはできません(原則足場は立入禁止)。よって全撤去(解体)してもらいました。

一体どんな風に撤去するのかと思ったら、男性二人が屋上に上って一人がディスクグラインダーでアンテナを切断、一人が下で受け取るというやり方です。地上からは一部の作業しか見えなかったの見学は諦めましたが、半日で綺麗に片付きました。

なんと、最近のディスクグラインダーはバッテリー式なんですね。自分が十数年前に買った機種は電源コード付きですから随分便利になったものです。アルミのブームなんてマストに取り付けたまま簡単に切断してしまいました。

ところで撤去したルーフタワーはマルドル製の5.7mのもので、建て替え前から35年くらい使ったと思います。しっかりした作りで目立った腐食もなく最後まで無事故で済みました。とにかく建物から飛び出さないように、小型のビームアンテナを乗せたのが良かったのかもしれません。

敷地の関係で思うようにアンテナを選べませんでしたが、最後まで無事故だったのが一番の成果です。家族やご近所さんの理解と協力があってここまで無線を継続できたことに感謝です。




※写真はバラした資材の一部。地上に下してまとめてしまうと思ったほど量はありませんでした。長くて重かったのはマスト。重くてかさばったのは自分で下したケーブル類の束。改修工事で出たゴミ類と一緒に業者さんに引き取ってもらいました。


2017年1月1日日曜日

インターフェア対策としてコモンモードチョークを追加しました

アマチュア無線局を運用する以上、最低限のインターフェア対策をやっておきたいと思いながら、自分がやっている対策はどの程度効果があるのか?‥ちょっと不安になっていました。

そこで、大進無線さんの“RF電流計Ver2”を購入してアンテナや電源まわりのコモンモード電流をチェックしてみました。よく言われるコモンモード電流の可視化です。



これまで、1:アンテナの給電点、2:送受信機のアンテナコネクタの直近、3:電源(AC/DC)まわりの計4か所、周辺機器との接続ケーブルなど基本的な対策は施していました。100W送信(3.5-50MHz)で目立ったインターフェアは確認されないので、コモンモード電流を確認することもありませんでした。

実際にRF電流計で確認すると送受信機のアンテナコネクタの直近では10mA以下に収まっています(校正していないので数値は目安です)。

しかし‥気になっていたアンテナ切替器の各アンテナ側を電流計で確認すると、やはりグランドが共有されている同軸ケーブルどうしでコモンモード電流が流れこんでいます。

具体的に記述すると長くなるので略しますが、例えばバーチカルアンテナ(7MHz)で送信すると、それに近い量の電流が同じ切替器に接続されている同軸ケーブルに流れていました。7MHz 100W送信で70mAくらいです。具体的に何mA以下なら良い、という基準があるわけではありませんが、ちょっと流れ過ぎと感じました。

対策として、グランド側も切り替わるアンテナ切替器を導入する手もありますが、手っ取り早くコモンモードチョーク(コモンモードフィルタ)を切替器の直近に追加することにしました。

今回製作したコモンモードチョークはFT240-43“相当品”に3D-2VをW1JR巻きしたもの3個、5D-2VをW1JR巻きしたもの2個です。コネクタの片側をMJ3X、MJ5Xにしようかと迷いましたが、将来的に機器間の接続にも使えるようにプラグにして、中継コネクタ・M-A-JJの使用することにします。

※アンテナ切替器は2回路1個、3回路1個、計5回路ですからコモンモードチョークは5個必要




5D-2Vを巻いてあるコアにかぶさっている黒いチューブ(下の画像)は、スリット入りの配線カバーです。コアに配線カバーを被せてから巻くというアイデアは、大進無線さんのサイトから頂戴しました。同軸ケーブルに隙間ができて巻やすくなります。



アンテナ切替器の各アンテナ側に製作したコモンモードチョークを挿入したところです。切替器周辺の配線は板に固定して綺麗に整理したいところですが、スペースがありません。これが限界です。ごちゃごちゃしていますが、INとOUTが結合しないように注意しています。

電流を測りながら1個づつ増やして、最終的に5個全部挿入、それぞれを送信しながら測りました。結果を大雑把に説明すると‥100W送信で十数mAから一桁になりました(3.5-50MHz)。まあまあでしょうか。


中継コネクタが宙吊りになってしまいましたが、隣のコネクタと接触しそうな箇所だけ配線チューブを被せました。



★★★★

今回使った資材に関するメモです

・FT240-43相当品 コアの材質が気になる方は正規品を使った方が無難かもしれません。

・フジクラの3D-2V、5D-2V、チョーク1個あたりで使った長さ:

FT240-43相当品(61φ)に3D-2VをW1JR巻き・15ターン、5D-2VをW1JR巻き・8ターン

“あまり”を長めにとるとして、どちらも110cm程度使いました。あとで足りなくならないように、自分は長めに切って作業しています。

・スリット入り配線カバー(スリットチューブ)
10φ(61φコアに被せるもの) エーモン ITEM No.1117 もしくは、ELPA SR-100H
15φ(中継コネクタに被せるもの・もう少し太いものがいい) ELPA SR-150H

・その他、コネクタ類

★★★★

どの程度の対策をするかは状況次第ですが、一応基本的な対策を施しておくと後々問題が出たときに原因の切り分けが楽になるような気がします。面倒といえば面倒ですが、安心料だと思ってます。

73 all

参考URL
大進無線 https://www.ddd-daishin.co.jp/







2016年11月7日月曜日

ちょっと珍しい?サガ電子・アローライン・AL-70FW

この記事は諸般の事情で一度非公開にしましたが、加筆修正して再公開することにしました。内容的に古いのでそのつもりで読んでください。FM局の局名、周波数は当時のままで修正していません。ネタとしては例のアローラインの70MHz版です。コイル付きですのでフルサイズではありません。共振型ですからローカルのFM放送受信用には十分ですが、感度を目一杯上げたハンディ型広帯域受信機では飽和してしまいました(後述)。

2023/9/2 update

★★★★

ちょっと珍しい?70MHz帯のアローライン・AL-70FWを紹介します。FM放送受信用アンテナを探している方に参考になるかと思い、このアンテナでFM放送の受信した結果などを含めて、投稿にまとめました。

このアンテナは20年ほど前に購入して、数か月間、LowVHF(60-70MHz)の受信に使用しました。物置に仕舞っておいたのですが、久しぶりに設置してみました。70MHz帯用ですからFM放送の受信に使えます。周囲に高い建物が増えてFM放送が受信しにくくなってますから、どの程度使えることやら‥。

以下にアンテナ全体と畳んだ状態の画像を掲載しますが、空を背景にして撮影しにくい場所にあるのでわかりにくい部分はご容赦ください(狭い場所で撮影しています)。








附属していた説明書にある規格
型名:AL-70FW
周波数:76-90MHz
垂直偏波 無指向性
全長 1.2m 重量:約300g
同軸ケーブル 5D-2V 20m

アローライン・シリーズは非常に軽いのが特徴ですが、本製品も重さ300gです。1本のラジエター、3本のラジアル、それぞれに延長コイルがついています。ラジアルのロックを外してラジエターを上の方に外すと、簡単に折りたためます。

中心周波数が84MHz帯になるように調整しましたが、工場出荷時は76MHzに調整してあるそうです。必要であればエレメントの長さを調節することになります。

アンテナ・アナライザーで測定してみるとSWRの底が1.2くらい、±1MHzで2.0以下になるようです。受信用ですからそれほど気にする必要はありませんが、受信周波数が中心周波数から大きくずれれば共振状態ではなくなります。

長さ1.2mの短縮型なので利得はダイポール比でマイナス、水平と垂直では20dB差があるとされますから、水平系と比べると不利になります。垂直偏波・無指向性ですから、回析、反射、マルチパスも全て受信してしまいます。ちょうど屋上にラジオを持って上がりロッドアンテナで受信したのと同じ程度でしょうか?

それとアローラインは、ラジアルが通常のブラウン・アンテナ(GP)より斜め下方に広がっていて、輻射パターンはブロードにして水平より下方にも輻射(受信)するのが特徴とされてます。そもそも垂直ダイポールの片側を上げて開閉角をやや狭めてインピーダンスを下げたのか?GPのラジアルを水平から下げてインピーダンスを高くしたのか?、、どちらでもいいか。。

‥ということは、いろいろな方向から到来する電波を受信するには有利かもしれませんが、マルチパスなどによる音質の劣化が気になる方には向かきませんね。

★★★★

以下、FM放送を受信した結果です。チューナーはDENON TU-7.5。シグナルメーターがないので、“全くの主観”で受信状態を評価してみました。東京都の郊外(市街地)で垂直・無指向性のアンテナでもこの程度受信できる、という目安にしてください。

※受信地は東京都町田市の市街地、周囲に高い建物あり、アンテナの地上高約10m、同軸ケーブル5D-2V 20mで引き込み。RFプリアンプ、ブースターは無し。チューナーのアンテナ・インピーダンスは75Ωですが、変換コネクタを介して50Ωの同軸ケーブルをそのまま接続しました。受信に関してはこの程度のインピーダンスの違いは問題ないです。

※受信した内容から局名は確認していますが、周波数の記載に間違えがあるかもしれません。同じ局を受信しようとする場合はご自身で周波数を確認してください。


●とても良い(ステレオで受信してもノイズがなく音がクリア) so strong ! good audio !
TOKYO FM 80.0MHz
J-WAVE 81.3MHz
NHK-FM 東京 82.5MHz
FM Yokohama 84.7MHz

放送大学 ※モノラル 77.1MHz

●良い(ほとんどノイズが気にならず音がクリア) good signal !
bay fm 78.0MHz
FM NACK5 79.5MHz
NHK-FM 横浜 81.9MHz
TOKYO FM 檜原中継局 86.6MHz

●まあまあ良い(時々ノイズが気になることがある) so so...
NHK-FM 千葉 80.7MHz
エフエム さがみ(FM HOT・神奈川県相模原市)83.9MHz

●ステレオではちょっと厳しいかも(モノラルで受信したい)
enough for monophonic

FM YAMATO(神奈川県大和市) 77.7MHz
NHK-FM 水戸 83.2MHz
InterFM 89.7MHz
かずさエフエム(送信所・君津市鹿野山) 83.4MHz

●厳しいけどモノラルなら受信可  - - -
InterFM 横浜中継局 76.5MHz
FM FUJI 三つ峠(山梨県)中継局 78.6MHz
NHK-FM さいたま 85.1MHz
NHK-FM 三つ峠(山梨県)中継局 86.0MHz
J-WAVE 港中継局 88.3MHz

総じて、ローケションが悪いわりには良く受信できたような気がします。無指向性であることが、送信所の方向がわかれている当地では有利になったかもしれません。

しかし、繰り返しになりますが、特段、高性能なアンテナではありません。一部のサイトでは“送信専用”として売られていますが、輻射効率を考えたら‥どうなんだろう??

追記 2023/9/2 update
VR-500(ハンディ型広帯域受信機)に接続してWideFMを受信したところ、ゲインが高すぎて飽和してしまいました。メーター振り切れ、二重三重に聴こえてしまい内臓アッテネータを使ってもダメでした。あの手の受信機は付属アンテナで受信できるように感度を目一杯あげているので仕方ないです。

★★★★

最後に‥いまどきFM放送はインターネットでも配信されてますから、わざわざ受信用アンテナを上げる必要がなくなってます。自分は無線を趣味にしてきたのでアンテナで受信することに拘ってしまいますが、“受信状態が悪いけれどもFM放送を聴きたい”方は、あまり無理をせずインターネット経由での受信を検討された方が無難かもしれません。

高所での作業に伴うリスクや、アンテナ本体、資材の代金を考慮すると、インターネット経由の方が各段に低コストで済みます。

サガ電子さんのAL-70FWのページです。※リンク切れの際はご容赦ください。
http://www.sagant.co.jp/communications/arrow/1266/


★★★★

<参考・このアンテナを設置するのに使った資材>※広告・宣伝ではありません

今回はグラスファイバーのポールをマストに使ってみました。軽いアンテナですから、金属製の太いマストはいらなかったのと、アローラインの下に超小型アクティブアンテナを設置するつもりだったからです。グラスファイバーですがら、電気的な導通がありません。中段にアンテナを取り付けてもマストの影響を受けません。

以下の資材の一式は、グラス・ファイバー工研さんから通販で購入しました。

・SFポールパーツ 50φ 1m グレー (グラスファイバーのポール)
・ポールキャップ 50φ 用(2個1組)
・デべクランプ 54×32φ Mini-Whip(コンパチ用)
・Uブラ UB-1103 2個





アンテナマストをどうやって取り付けるか工夫のしどころですが、今回は屋上にある四角柱の突起物(ステーアンカー)に取り付けました。


アローライン程度の軽いアンテナでしたら、十二分に保持できると思います。 

おしまい。