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2024年12月30日月曜日

7MHz SSB トランシーバーキット CS-40を作った件

※この投稿に登場する中華トランシーバーのキットは現在入手できません。同じものを作ることはきませんので、そのつもりで読んでください。内容的には初心者向けです。

★★★

2024年のクリスマスイブ。格安ウイスキーをストレートで舐めながら「クリスマスの約束 2024」を見ていた。酔いがまわり視野が狭くなったころ、とっくの昔に忘れていた1台の安っぽいリグが脳裡をよぎった。どこかの政治家が言った「おぼろげながらみえてきた」というやつだ。そうだ、アレについてまだ記事にまとめてなかった。それに今年はブログを放置してしまいろくすっぽ書いてない。この際ネタとして投稿しよう。

机の下に積み上げてあるクリアファイルを引っ張り出し、その中から忘却の彼方に置いてきた中華トランシーバーの製作資料を見つけだした(!)。


                 



そうそう、これこれ、CS-40 7MHz SSBトランシーバー。KN-Q7AのSi5351 デジタルVFO(サンドウィッチVFO)版です。完成時の画像が見つからないので↑上の画像はブログ用に撮り直したものです。

画像のタイムスタンプから2019年の1月に製作したことが判明、その後何度か改良を加えたはずです。キットが頒布されてる時期に製作過程を公開する方が、誰かの参考になるかもしれない。めんどくさがり屋の性格といつもの億劫感から、いたずらに歳月が流れました。よって以下は自分用のメモですが、印刷した英文マニュアルとそれに書き込んだメモが見つからないので、残された日本語マニュアルと記憶を辿っての記載になります。

このキットは再現性が大変良く、電子工作初心者の方がはじめてSSBトランシーバーを組み立てるには適していたと思います。後に21MHz版 CS-15Vを製作しましたが、シンプルな構造と再現性の良さに感心しました。しかしながら、いつものようにケアレスミスを重ね思わぬ難航が続きました。

1:はじめに部品の選別をしたのですが、このときコンデンサの数え間違えをして一つ足りないと判断。手持ちのコンデンサを追加したのですがその「容量」を間違えて追加してしまいました。実際には不足はなく(数え間違え)、それどころか容量を間違えたコンデンサをはんだ付けしてしまい大手術をすることに→5:へ

2:一番はじめにサンドウィッチVFOを製作したのですが、動作チェックをしたところ発振しない。このVFOは3枚の基板をピンヘッダで繋ぎ合わせはんだ付けして組建てます。あれこれ試したところロータリーエンコーダの背中が隣の基板に当たり干渉していました。ピンヘッダから電動はんだ吸い取り器ではんだを吸い取り、基板を元の状態に戻してからエンコーダの背中をニッパで削りました。それと基板と基板の間の隙間が拡がるようにはんだ付けをしなおしました。これで一応問題なく動作したのですが、後日談があります。

一年後くらいに電源をいれるとまったく信号が受信できません。再びVFOをバラして基板間の隙間を調整です。どうやら基板が反ってしまいショートする箇所ができるようです。簡易トランシーバーですから仕方ありませんが、基板重ねるやり方は信頼性が犠牲になります。

3:調整について。はじめに「受信部の調整(RX Alignment)」からです。取説に紹介されてるオーディオスペクトラムアナライザ Spectrum3をWindowsXPのPCで動作させて行いました(Windows7と10では動かないみたい)。7MHz帯のアンテナでは余計なノイズを拾ってしまいダメでした。28MHz帯用のローターリーダイポールで上手くいきました。

ホワイトノイズ(いろいろな周波数のノイズを等しく含む)に近いものを注入するのがポイントです。

4:失敗しやすい箇所はファイナル(リニアアンプ)のFET IRF510のアイドリング調整とされますが、幸い自分は飛ばすことなく所定の出力が得られました。パワーを欲張らず落ち着いてゆっくり調整すれば大丈夫です。

5:が、しかしです。PTTを押して「あーー」といっても電力計が触れません。回路には電流が流れるからどこかで信号が止まっています。なんてこった!

ヤレヤレ。仕方ないから、一回バラシて「ピー」の音を注入しながらオシロで基板のパターンを追いかけます。VFOが発振していて変調回路に問題がないようなので、バッファからリニアアンプへと高周波の流れるパターンを追っていきます。そして最後の最後にたどり着いたのがLPFの最後(アンテナ側)のコンデンサ。1:で間違えたたった1個のコンデンサ、それも他のと色違のヤツで自分が勝手に追加したコンデンサ。トホホ。

以下に製作過程の画像を掲載しますが、これまた適当が画像が見つからない。何枚も撮影してGooglePhotoのアルバムに整理したつもりですが、中途半端なものばかり。それに肝心な送信受信テストの動画が見つからない。何より完成した本体の写真が見つからない!

タイムラインを追っても見つからないものはしゃーない。残ってるものだけ掲載します。




















                                                   
                    
                    

                     

                     
                      



                     

                    

                    

完成した前面と背面の画像が見つからないので撮り直しました。無断流用されるのでわざといい加減な画像にしました。背面には電源スイッチをつけました。キャリア送信のスイッチとどちらをつけるか迷いました。本当は両方欲しかったのですが電源を優先しました。

                    

                    

★まとめ
前述したようにこのキットは部品点数が少なく再現性が良かったので、初心者の方でも作り安かったと思います。自分が難航してしまったのはケアレスミスを重ねたからであって、慣れている方ならほぼ確実に動作させられたでしょう。

一方設計は大変シンプルですから、完成度を求める方には不満な点がいくつも出てくるはずです。この手のキットは作ることを楽しむものだと思います。メーカー機並みの何かが欲しい方ははじめから手を出さないことです。費やすお金と時間が無駄になります。

サンドウィッチVFO版はLEDの点灯で周波数を読み取るので使い勝手は良くありません。受信感度はまあまあです。変調の評価はなんとも言えませんが、一応交信できますよ。。

※詳しい仕様は略します。

以上。


2024年1月21日日曜日

IC-706付属ハンドマイク HM-103 モジュラープラグ交換

 アンテナの設営も終わり徐々に運用再開の準備を進めていす。シャックにはIC-706無印が2台あるので、これらもできれば活かしたいところです。とりあえず調子を見ようと1号機のコントローラ左下のマイクジャックにハンドマイクのHM-103(8pin モジュラープラグ付)を差し込んだときです。カチンと音がせずにグラグラします。イヤな予感がしたのですが、そのまま電源を入れSSBでPTTを押しながら「あ~~」というとパワーメーターがふれません。

ぎゅっと下から押せば変調は乗るようですが、これでは使い物になりません。プラグを抜いてみるとツメが折れかかっています。仕方ないのでもうひとつのHM-103を見たら、こちらはすでにツメが折れています。思わず舌打ちをしました。

「めんどくせー、これだからモジュラーはイヤなんだ」

変換ケーブルのOPC-589とアイコム8pinハンドマイクは持ってますが、モジュラージャックに重いケーブルをぶら下げることは避けたい。互換品を買うのも手ですがせっかくHM-103が手元にあるのですから、RJ45モジュラープラグと圧着工具を買って交換(修理)することにしました。

以下は修理をした際の手順と今後のためのメモです。もし参考にされる場合は、ピアサイン、配線はご自身でも確認して作業を進めてください。誤った配線は故障の原因になります。

自分が確認したHM-103・アイコムモジュラー8pinの配線は以下のとおりです。

ケーブルを手前に持ちプラグのツメを下にした状態でルーペで見ると、内部に配線が見えます。左端が1で順番に番号が上がり右端が8です。

1:空 HM-103では結線無し。本来は赤+8V。 

※結線の必要はないが作業をする上で赤を差し込んだ方が楽です。

2:黒 周波数のup/down 

※マイク内部の基板中央部に黒の配線ではんだ付されてる。

3:空 ピアサインではVR連動AF出力。ハンドセットなどで使える?

4:緑 PTT

5: 黒 マイク用GND。

※2番と同じ黒だがケーブル内の銀色と銅色のシールドと接続されてる。基板上の右上にはんだ付けされてる。熱収縮チューブが被っているので目印になります。

6:白 MIC+

7:青 PTTのGND

8:空 結線無し。スケルチオープンでGNDに落ちる。


作業の手順ですが、モジュラープラグの形状と先端のピンの長さと比べながら各線の長さを切りそろえます。順番にそろえてプラグに差し込み圧着工具でかしめます。被覆をストリップする必要はありません。かしめることでピンが被覆に食い込み導通します。

手順としては簡単ですが、目標のピンに各線が差し込めるかどうか……これが全てです。あまり深く考えずにえいっや!と押し込んだ方が上手くいくみたいです(?)。

作業には固定型(スタンド付き)のルーペがあった方が楽です。面倒なのは5番です。一回目は細いにビニール線をはんだ付けして試みたところ、線の径が細くて接触不良になってしまいました。全部やり直して2回目はよじってはんだ上げしました。







※↑の写真の左がオリジナル、右が交換したもの。1番・赤は不要ですが作業を楽にするために結線、5番はバラ(シールド)をよじってはんだ上げしてあります。繰り返しになりますが、ビニール線で処理する場合は径に注意。細すぎるとかしめた時に接触不良になります。


※↑ 一応完成。エポキシで隙間を埋めましたがカッコよくできなかった

今回RJ45モジュラープラグの圧着を初めてやってみました。Amazonで格安圧着工具とプラグを購入したのですが、まさに相性問題が発生。工具とプラグの形状があわず完全にかしめることができません。具体的には工具の奥行とプラグのサイズが合わずケーブル側の緩い傾斜がぶつかってしまいます。


仕方ないので、反対側からプラグを差し込んでかしめることにしました。圧着端子のように形状が同じで径だけを意識すればいいものと違い、コネクタ、プラグ類は互換が確認されているものを買うのが無難です。しかし、何回使うかわからないRJ45の圧着工具にどれだけ金をかけるのか??


最後に結論めいたことを一言。

マイクを買い直すか変換ケーブルを使ったが絶対コスパがいいです。

この作業はホント面倒くさくあまり得るところがありません。

HM-103は2個持ってますが、プラグ交換は1個だけにして終了。

もう1個は諦めた。。


2019年1月16日水曜日

Amazonで売ってるRFプリアンプを自作ケースにいれて‥失敗談


この投稿は初心者の方向けの内容です。
こんな風にやってはダメよという失敗例として読んでください。
内容的には古いです。
2023/9/2 update
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アマゾンで売られている中華RFプリアンプ、ご存知の方も多いと思います。商品名は“HiLetgo 0.1-2000MHz RF 広帯域アンプ 30dB(デシベル) ハイゲインモジュール”とされていますが、MMICはINA-02186のようです。とにかく安いですよね。

受信用のプリアンプなど、いろいろな用途が思い浮かびますが、基板のままというわけにもいきません。他の方々のブログにもありますが、このアンプ、ゲインが高く発振しやすいようです。自分もケースに入れて使えるようにしてみたのですが‥、いい加減にやったら手こずってしまいました。以下、“ちょっとお粗末な”顛末です。
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このプリアンプは個体によって不良の場合があるらしいので、まずは簡単に動作チェックをしました。

ケースは久しぶりに生基板で作ってみました。わざわざケースを作る必要はないのですが、まとめ買いした生基板が目についたので練習を兼ねて作ることに。もちろん市販されているアルミのケースの方が楽です。

ケースに入れるときBNCを使いたいのでSMAコネクターを外してしまったのですが、これが後々不具合の原因になります。下の写真を見るとわかると思いますが、SMAを外すときに自動はんだ吸い取り器を当てたら一部パターンが剥がれてしまいました。フラックスが飛び散り基板が汚れるし‥(ToT)。はんだを盛ってやればよかったかな。


基板の取り付けは四隅に金属スペーサーを取り付け、そのスペーサーを半田付けしました。スペーサーは基板に瞬間接着剤で止めてから半田付けしました。同じようにやる場合はガスが発生するので注意。

なんか見た目が良くないですが‥


一通り配線が終わって通電すると006Pの電池が熱くなります。どこかがショートしています。ルーペで見ると、Vcc直近のチップコンデンサに飛び散ったはんだが付着してショート
していました。テストの度に配線を外していたので、そのときに付着したようです。


基板に使われてるはんだの融点が高いので、鏝でやや高熱をかけていました。そのためフラックスで基板が汚れてしまうし、はんだは飛び散るし‥。チップコンデンサーを無傷で外すことはできないので、手持ちのものと交換しました。値は104。下の写真は作業の途中ですが「良くない見本」です。コネクタのhotもcoldも基板に直結にしたいところです。そもそもパターンがSMAなのにそれを外してBNCに拘ったのが間違え。


はじめにケースに入れたときはパターンをショートさせたくないので、コネクターのGND(cold)をケースの底にスズメッキ線で落としました(この雑な配線が不具合の原因に)。配線を終えてハンディ型の広帯域受信機でテストです。

はじめホイップアンテナをつけたときは問題なかったのですが、屋外のGPを着けたときに異常が出ました。

433MHz帯のFMを受信していると、信号のレベルが上がりSメーターが振り切れますが、音がブツブツ途切れることがあります。20dBのアッテネータを入れるとちょうどよくなります。

発振気味ですが、ハンディ機が高感度なのでこんなものかと思って一度はケースに蓋をしてしまいました。ネジ穴止めではなく半田付けです。カッコ悪い??デカい??



でも、やっぱりオカシイ。144MHzのホイップをつけただけで、深くかけたスケルチが開いてぶぶぶぶぶ~と音がでます。完全に発振しています。仕方がないのではんだを全て吸い取って蓋をあけ、配線をやり直しました。なんてこった!

BNCコネクターのGND側をケースの底を落とすのではなく、最短で基板に結線するようにラグ端子を使って工夫してみました。直にパターンにはんだ付けするべきですが無理に無理の重ねて、、リングが届かないしデカすぎる。一応電源のジャックの直近に104の積セラを追加です。


(恥をしのんで最終版の写真。なんだかなぁ、コネクターとの結線が長くなってしまいVHFまでということで‥。コネクターについている黄色いものは、ゆるみ防止の接着剤です。)

やっぱり?、in、outはSMAコネクターのまま使った方がいいです。Amazonでコネクター付ケーブルを売ってますから、途中でカットしてストリップして配線してください。適当に配線するとパターンの寸法が変わってしまい、インピーダンスが狂ってしまいます。GNDへの接続が中途半端だと信号がループして発振の原因になります。基板はガッチりケースに接続して電位を安定させましょう。

GNDは最短で‥基本でありました。
┐(´д`)┌ヤレヤレ

ようやくぶぶぶぶ~が消えました。ちょうど433MHzで埼玉県内の移動局が綺麗に聞こえました。このままGPに繋ぎかえてもメーター振り切れ、ぶぶぶぶ~もありません。



なんだか随分と大回りをしてしまいました。
でも、動作が安定してからは快適に受信できています。

市販されている受信用プリアンプはゲインが10から20dBくらいのようですが、30dBというのはさすがにゲインが高いです。受信用に使うには状況によってフィルターが必要になりそうです。お値段が安いですから周波数カウンターなどの感度不足を感じるときに使ってみてもいいでしょう。

以上、お粗末。

★★★★
2023/9/2 update
同調回路なしの広帯域アンプですから、リスニング用というより回路のゲイン不足を感じたときに使っています。受信回路の調整でノイズジェネレーターを使うことがありますが、感度が足りない(信号のレベルが弱い)ときに一押し二押しできて便利です。

おしまい。

2018年12月31日月曜日

1球式再生式受信機キット RR-49を作ってみました(中波のみ)

久しぶりの更新になります。タイピングをすると右手が痛むので簡単な投稿です。

CQ出版社の1球式再生式受信機キット RR-49、RegenerativeReceiver RR-49を作ってみました。49はCQ(しーきゅー)にひっかけててるんだろうと思われますが、15W×10D cmの手のひらに乗るコンパクトな真空管式受信機(ラジオ)です。値段がちょっと高いですけれど、たまには真空管式もいいんじゃないかと思ったので紹介します。

自分は完全に半導体の世代ですが、以前に6球スーパーを作ったことがあり、真空管式ラジオも味があって面白いなと思っていました。たまたまwebでキットの発売を知りさっそく注文しました。暮れの21日金曜に届いてさっそく23日に組み立てました。

※ハンダ付け一晩、動作確認と調整一晩、アンテナ設置に半日、仕上げに半日で完成。





部品点数も少ないので組み立て説明書の通りに製作するだけです。説明書はカラー印刷で項目をチェックしながら作業を進めるようになっています。技術的な解説も記載されています。

部品をチェックしいて気づいたのですが、100pFのコンデンサー4個のところ102(1000pF 1KV)が入ってました。容量が違って使えないのでストックしてあったマイカコンデンサー100pFを使いました。400V以上が指定ですからトランジスタ用はNGです。※交換が必要な場合は販売元に連絡してください。


 製作はそのものは特に難しいところはありませんが、説明書の通りにやってうまくいかないときは臨機応変に進めます。組立の行程と回路図、実体配線図をいったりきたりすることになるので別にコピーをとった方がやりやすいかもしれません。自分は大変狭いスペースで作業をしているので、説明書1部だけで“いったりきたり”して組立ました。



ラグ板と真空管ソケットからの配線がGNDに落ちる箇所だけ、シャーシを紙やすりで軽く磨いてネジ止めの際に菊型のワッシャをいれました。念のためにやっただけですので、省いても大丈夫です。


精密プライヤーで部品の足を調整しながら、順番にハンダ付けしていきます。途中で絶縁チューブが不足したので、手持ちのエンパイア・チューブを使いました。


真空管はTELEFUNKEN ECL80/6AB8。3極管と5極管の複合管。





配線は説明書の指示に従ってください。僕の写真では間違えがあるかもしれません。

ネジのサイズも指示に従います。再生バリコンの取り付けは皿ビスの短い方でやらないと羽根にあたって回らなくなります。

通電する前に各所の抵抗値を測りますが、手持ちのデジタルテスターではうまく測れなかったのでアナログテスターで測りました。テスターリードの黒がGND側。

通電後各所の電圧を測るときは手袋をしてください。DC電圧は200V以上かかりますので注意。





一通り作業を終えて電源を入れてみたのですが、音がしません。再生バリコンを右から左へ回すとぶぶぶぶ~とうなりを上げます。それで、配線を点検したらハンダ付けを忘れたところが2か所。それでもシャーシを叩くと唸るのでどこに問題があるのかと思ったら、同調用のバリコンのステータ側からシャーシに落ちる部分の、バリコン側のネジがゆるんでました。これを締めて解決です。

ようやく唸りがとまったので、1メートルほどのビニール線をつけて受信です。が、蚊の鳴くような音しかしません。再生バリコンを左に回すとボッという音がするので、同調バリコンをまわして選局しますが、かろうじて放送波が聞こえるものの再生のビートに負けてしまいます。ケロケロ音です。

バーアンテナ(同調コイルと再生コイルを兼ねる)の両側を指でつまむと、感度アップ。スピーカーから音が聞こえます。


どうやら長いアンテナをつけないとダメなようです。

それで日をあらためてワイヤーアンテナを張り、ベランダの手すりにアースをとりました。敷地が狭いのでワイヤーの全長は7,8m(折り曲げ)、アースは手持ちの薄い銅板でベランダの手すりに容量結合させました。




かなりいい加減なアンテナとアースですが、これでリスニングができるくらいの音が出るようになりました。


再生が強くなりすぎない位置でバーアンテナのコイルの位置を決めて、結束タイで固定。ちなみに再生コイルは簡単にほどけないようになっているので、巻数の調整はしていませ
ん。リンクコイルのホルマル線はバーの下でよじってあります(説明書の通り)。



受信周波数の上限は同調バリコン上のトリマで調整します。トリマをゆるめて容量を抜いていくと上限が上がります。この調整をしないと中波放送帯の上限はカバーしていないかもしれません。(写真では向かって左側のネジ)


そして自分にとっては一番苦手なシール貼りです。前面パネルとシャーシの表面を無水エタノールで拭いて乾かしてから慎重にシールを貼ったのですが‥曇ってしまい透明になりません。クリアなのかと思っていましたが‥。

※アクリルにエタノールを付着させるとひび割れすることがあるそうです。エタノールで拭く場合は手早く、短時間で拭きとってください。心配な方は使わない方がいいかもしれません。




 ムラができるのはこういうシールなのか?、エタノールが残ってた?、シートから剥がした状態で良く観察しなかったのではっきりしませんが、貼り方が悪いのかもしれません。気泡もできてしまい、汚くなってしまいました。大失敗。アクリルの部分のムラは裏側の汚れではありません。あーあ、、(ToT)。

恥をしのんで失敗を公開。スマホやデジカメの液晶画面にシールを貼るのはできるんですけど‥。微妙な凹凸があったかな。


 途中でやりなおそうとしたのですが、粘着力が強くて簡単にはがれないので諦めました。このシールは剥がすと再び貼ることはできませんので注意してください。仕方がないのでPCかテプラでシールで作りなおしたいと思います。(シールには“Power”の文字もあったようなのですが、貼り忘れてしまいました)

結果論ですが‥組み立てたあとからシールを貼るのは難しいので事前に貼って養生して組み立てた方がいいかもしれません。そのときにメンディングテープなどでラインを引き、水平を出すなど工夫が必要です。

組立後シールを貼る場合は、台座を工夫してシャーシをガッチリ固定してから貼ってください。不安定な状態で作業をすると集中できません。

それと前面のパネル、特にスイッチのナットを締めるスパナやレンチは先端を養生テープで覆った方がシャーシに傷がつきません。自分は面倒なのでやりませんでしたが、作業中にシャーシに傷がつきやすいので、できれば養生テープを貼った方がいいです。



 最後にアクリル板で底板を作り、両面テープで貼りつけました。手持ちのアクリル板が1ミリで、久しぶりにアクリルカッターを使ったので上手くカットできずに苦戦しました。ゴム足(シール付き)をつけて完成。


 






完成写真。シール貼りを失敗して綺麗な仕上がりではないのですが、こんな感じになりました。



最後に自分なりにわかった受信のコツです。再生バリコンを右に回し切った状態(無音)から左へまわしていくと、ブッという音がして、さらに左にまわしていくとシャーという音がでます。同調バリコンをまわして選局するとビートがかかった状態で受信できるので、その状態で再生バリコンを右にまわして再生のレベルを落として一番聞きやすい状態にします。ビートが残ったり、音が抜けてしまう場合には、再度同調バリコンと再生バリコンを調整します。

当地ではNHK東京・第一、第二、在京民放、AFNすべて聞こえます。AFN(810kHz)は信号が強すぎて、うまく再生バリコンの調整ができません。それとアースをつけた方が信号の流れが良くなるので、できればあった方がいいですよ。

ボリュームはないので再生バリコンで調整します。スピーカーから出る音は室内で聴くには十分ですが、音質は硬めです。ガツンと聞こえるわけではありませんが、“風流”を楽しむのには丁度いいかも?

このキットは7MHz受信機への変更用パーツがついています。7MHzへの変更には中波用コイル(バーアンテナ)をはずして7MHz用コイル(トロイダルコア)をとりつけます。また、説明書には3.5MHz用コイルの説明も記載されています。

このキットの本来のコンセプトは“黎明期のアマチュア無線の雰囲気を楽しむ”ことのようですので、気が向いたら7MHz用受信機に変更してみたいと思います。

再生検波・電力増幅 6AB8/ECL80
中波用の受信周波数:492kHz~1670kHz
※ディップメーターで測ったおおよその周波数です。
電源電圧:AC100V

以上