2023年12月3日日曜日

ナガラ RV4J建立・2年半ぶりに7MHz帯を聴くまで

 V4XHの架設断念で年内の無線再開は諦めかけたものの、なんとか受信だけでもできるようにしたい。。。そこでずっと重量が軽いナガラRV4Jを設置することにしました。12月が近づくにつれ朝晩冷え込むようになり、少しでも陽気がいいうちに作業をしないと年内はチャンスがなくなってしまいます。

以下、RV4Jの組み立てと調整までの記録です。自分用のメモとして、また、どなたかの参考になればと思い投稿にまとめましたが、残念ながら再現性については一切保証できません。片側を自分で用意するバーチカルアンテナはそういうものですので、そのつもりで読んでください。ここで紹介する作業は、すべて1人で行い3日間かかっています。



★★★★

まずは取説にある仕様から。

↓↓↓

MODEL RV4J

7/14/21/28MHz Vertical Element

エレメント長 5.2m

重量 1.8kg エレメント本体

受風面積 10㎡

耐 電 力 300w(原文まま)SSB ・100wFT8(原文には注釈あり)

適合マスト径 38~61mmΦ

★★★★

上記の仕様を書き写しながら気が付いたのですが、ElementとあるようにバーチカルアンテナではなくてElementなんですね。確かにこれだけでは完成したアンテナにはなりません。

★★★★

実はナガラさんのアンテナは初めてです。開封したらさっそく組立開始。難しいところはありません。パーツが揃っているか確認、各部の寸法をチェックしながら組み立てるだけ。







※↑上の写真の白っぽく見えるところがグラスファイバーポール

旧モデルのV-4Jrより適合マストの径が太くなったので、Cチャンネルの部分が大きくなったのかと思いきや、実際には絶縁用のグラスファイバーポール(サブマスト・FRP)とマストクランプが追加になっています。旧モデルは使ったことがないので細かい差異はわかりませんが、ほぼ同じ?


※↑上の写真の黒い部分は自己融着テープ。説明書には記載はありません。

ちなみにコイルは2個あります。自分のやり方ですが、エレメントとエレメントの繋ぎ目には導電グリスを薄く塗布、ネジ類にも僅かにグリスを塗ります(滑りが良くなり作業が楽)。組立が終わったら繋ぎ目やセルフタップネジの上から自己融着テープを巻き、全体にテナコートを塗り仕上げます。

そして、ちょっと面倒くさいのが給電用ケーブル先端の処理です。以下に自分がやった例を紹介します。あまりカッコ良くないけど。




給電点用の同軸コネクタはついてませんので、自分で同軸ケーブルの先端を処理します。特に決まりはありません。自分は同軸ケーブル(5D-2V)の先端を20cmくらいストリップし編組を5cmくらい残しカット、芯線(外皮付き)をむき出しにします。アース用の電線(5.5SQ?)の先端をストリップして、残した編組にスズメッキ線で留めてからはんだ付けしました。はんだごては熱量のあるものを使ってしっかりはんだ付してください。

露出してる部分の絶縁と防水用にシリコンボンドを塗ったのですが凝固に一晩かかってしまいました。作業効率を考えたらホットメルト接着剤が良かった。固まったシリコンボンドの上から自己融着テープを巻きさらに補強。hotとcoldそれぞれ先端に圧着端子を圧着もしくははんだ付け、接合部にも補強と防水を兼てホットメルト接着剤を塗りました。

※hotとcoldがショートしないようにしっかり処理してください。ショートした状態で送信するとリグのファイナルがぶっこわれます。

さてさて、バーチカルアンテナで肝心なラジアル・カウンターポイズ・所謂アースをどうするかですが、組立説明書によると共振型ラジアルを各バンド用意してGPやアローラインのように設置するのが推奨になっています。我が家の場合、共振型ラジアルは張れなくもありませんが、屋上の床やバルコニーの手すりに近接してしまうのでよろしくありません。調整しきれない可能性があります。そこでまずは非共振型・容量結合でやることにしました。具体的には建物の鉄骨との結合を狙います。これで上手くいかなかったら共振型にするということで。


cold element(自分なりの言い方)は使い古した同軸ケーブル・5D-2V、5mを2本用意して芯線と編組をショートさせて圧着端子に圧着しました(↑上の写真)。給電用ケーブルと同じように補強と防水処理をします。まずこの2本からスタートです。

屋上に持ち上げマストに取り付ける作業は(1人で)いとも簡単に完了。風が吹いていないタイミングを見計らってスルスルと持ち上げて、マストにストンと落としました。片手でエレメントを保持しながら、スパナでナットを締めて位置決め。止まったらラチェットレンチで締め付けて完了。

※↑上の写真はマストに取り付けてcold element 2本取り付けて直角に展開したろころ。専属カメラマンがいないのでいい写真がない。

バーチカルアンテナがおもしろくなるのはココから。調整開始。cold element 2本を直角に展開してMFJ-259BでSWRとインピーダンスをチェック。結果は7MHz帯以外はSWRが高くて使えません。それでも7MHz帯だけでも使えるようなので一安心、精神的に楽になりました。箸にも棒にも掛からないのは困る。。

この日の作業は終了して、翌日は追加のcold elementを4本製作。製作時に気づいたのですが、アマゾンで購入したS5CFBはアルミ編組で圧着端子にはんだ付けできません。圧着工具で圧着しましたが、はんだ付けしたい方は別な線材を使ってください。自分は同軸ケーブルを利用しましたがストリップや防水処理がかなり面倒くさいので、IV線などの方が処理が楽です。既製品もあるそうなので、その方がずっと楽でしょう。


翌々日3日目、cold element 4本増量。計6本でトライ。



まずは放射状に展開しましたが、7MHz帯以外はNGです。そこで3本づつ輪に束ねてみたところ、あっけなく決着……したことにする。各バンドSWRが一気に下がってなんとか使えそうです。いやいやダイジョウブだって!
※↑上の写真で見える黒い円筒形のものはCMF。丸環についてるワイヤーと碍子はこのアンテナとは関係ありません。

※↑写真は給電点周辺。cold elementを止めてる蝶ナットは手持ちのものでアンテナに付属してません。

これ以上elementを追加してみても劇的な変化は期待できません(タブンね)。
あれこれこ面倒くさい、もう疲れたというともあり、取り合えずこれで使ってみることにしました。非共振型・容量結合ですから高効率は望めません。どうにもならなければ改めて調整です。

※ここで計測したSWRやインピーダンスの数値はあまり正確とはいえず、再現性も低いので記載は省略します。自分の場合SWR3.0以下で概ね共振していると判断したらそれでヨシとします。各バンドSWR1.7~3.0の範囲に入ってます。29MHz帯はSWRが高く使えません。容量結合あるあるでバンドの低い方、オフバンドに合っています。またアナライザーが示すインピーダンスは低くなります(50Ω以下)。SWR1.5以下厳守の方には許せない状況ですネ。


さて、さて、さて、シャックに同軸ケーブルを引き込んでTS-590SGに接続、さっそく7MHz帯を受信してみます。2年半前にアンテナを撤去したときと比較できませんが、まあまあ同じように聞こえているようです。ノイズっぽさも変わりなし。

ほっとした。

ここまでいろいろあって

本当に長った。


※高所の作業はくれぐれも注意してください。
  1人が無理なら助っ人を頼むこと。
 体調が悪い、集中力を欠くと思ったら作業を中止すること。
 できないと思ったら業者さんに相談しましょう。


以上。