2016年1月1日金曜日

春日無線変圧器・真空管式ギターアンプキット・5F1を作ってみました。

※この投稿は古いです。2012年9月頃の出来事です。
真空管式ギターアンプの製作に興味がある方の参考になればと思い投稿します。

(私にはアンプの音質の良し悪しはわかりません。
音質に関するコメントはこの投稿にはありません)

★★★★


春日無線変圧器さんの真空管式ギターアンプのキット・フェンダー・チャンプ 5F1型、Guitar Amp Kit,FENDER "CHAMP-AMP" MODEL 5F1、です。

偶然ネット上でこのキットを見つけたのですが、たまにはちょっと変わったものを作ってみるか‥
ということで手を出しました。

製作してみて特に難しいところはなかったのですが、全く経験の無い方には厳しいと思います。
はんだごてをはじめ基本的な工具は全て揃っていて、それが使いこなせる方でないと完成させることはできません。

初心者の方はトランジスタやICでギターアンプやエフェクターを作ってみて、電子工作の基本が身についてから手を出した方が無難です。

キットの内容ですが、組み立てマニュアルと加工済みシャーシ、パーツ一式が同梱されています。トランスは春日無線変圧器さんのオリジナル、コンデンサの一部は音響用が同梱されています。(簡単なコンパクト・デジカメしか持っていないので画像が不鮮明なのはご容赦ください)



このキットはFender Champ 5F1の回路が基本になっています。トーンコントロールはありません。
構成は極めて単純で部品点数も少ないです。組立説明書のとおりに製作すれば大丈夫です。ゆっくりゆっくり作って3日ほどで完成しました。慣れている人なら1日でできるかもしれません。




綺麗にできていないので恥ずかしいのですが、概ねハンダ付けが終わったところです。
配線はまだ仮止めの状態です。
(下の写真)

ハンダは日本アルミットのKR-19を使いました。拘らない方はふつうのハンダで良いと思います。



ハンダ付けが終わったら、配線を点検して真空管を差し込みます。電源を入れたらマニュアルに従って所定のポイントで電圧を測定します。真空管は高圧の電圧を扱うので感電しないように注意してください。手袋をはめて作業しています。




一応、完成です(下の画像)。ボリュームの文字盤は取り付けていません。

‥シンプル過ぎる??




試運転をすると音にノイズが乗ると思います。そのときはノイズを聴きながらピンセットで配線を動かしてみます。ノイズが止まるところをみつけて固定します。このとき竹など絶縁体のピンセットを使ってください。持っていない場合はショートに注意してください。
(アース母線にタイラップや糸などで固定する・下の画像)



ここまでで終わらせようと思ったのですが、せっかくですから追加でオプションのスピーカーボックスを購入しました。このスピーカーボックスも春日無線変圧器さんのオリジナルです。スピーカーはJENSEN/C8R。サウンドハウスさんから購入しました。


簡単な木工です。材質がMDFなので塗装はしませんでした。
(塗装が難しい)


アンプを乗せるとこんな感じです。
(狭い部屋です。背景がちらかってるのはご容赦ください!)



ここで注意点。アンプを乗せてフルボリュームで音を出すと、シャーシから“チリチリ”という音が聞こえるかもしれません。シャーシを軽く叩いてみるとわかります。

これは真空管のソケットの羽根から出る音です。12AX7の方だったと思います。
これを止めるためにちょっと乱暴なやり方ですが、ソケットにハンダ付けする部品の張力を使いました。

抵抗器の片方の足を精密プライヤで摘みながら、ゆっくりはんだごてでハンダを溶かします。
チリチリ音がしなくなるまで軽くひっぱりながらもう一度ハンダ付けしなおします。これで止まると思います。このとき部品を壊さないように注意してください。自信のない方はやらない方がいいかもしれません。




真空管(小型)ギターアンプの製作に興味を持たれる方がどれほどいるかわかりませんが、ちょっとした道楽として乙なものです。回路が単純ですから部品を交換して改良したり、自作のエフェクターと組み合わせたり、いろいろと遊べます。

バラで部品を集めたり自分でシャーシを加工するのは大変な作業ですので、このキットを利用すればずっと楽に製作できます。ただし、オリジナルで使われている整流管・5Y3GTは使われておらず、ダイオード整流です。そのため完全に同じ回路を踏襲したものではありません。また、同じような内容の完成品が格安で買えますので、製作に興味がなく、5F1型に近いものが欲しい方をそちらを購入されてください。

完成・正面

背面

上部(スカスカで何もないですね‥)

6V6GT(左)と12AX7(右・シールドカバー付)



★★★★

構成:12AX7、6V6GTA、ダイオード整流
出力:3.5W 8Ω

主なパーツ(組み立てマニュアルより)
12AX7、6V6GT(PM製)
入出力ジャック:SWITCHCRAFT 12A
抵抗:Xicon Carbon Composition 1/2W
カップリング・コンデンサー:OnageDrop 715P
出力トランス:KA-54B57T
電源トランス:Km-5F1
(電源平滑用コンデンサや周辺の抵抗は一般品)
シャーシ:1.2mm アルミ製・アルマイト仕上げ

※上記のキットの内容はあくまでも私が購入した分のものです。

以上です。