2016年4月7日木曜日

真空管式 6球スーパーラジオのキット(GRS-6)

※この投稿は2012年頃の出来事です。真空管ラジオの組立に興味があって、何かきっかけが欲しい方や教材的なキットを探している方の参考になればと思いこの投稿を書きました。残念ながら、現在全く同一の内容のキットは入手が難しいようです。

★★★★

6球スーパーキット(GRS-6・中国製)を作ってみました。記憶が定かではありませんが、2004年か2005年頃、秋葉原の部品屋さんから通販でキットを購入、そのまま放置してありました。簡単な配線図しか同梱されていなかったので製作は半ば諦めていました。2006年頃「こだわりの真空管ラジオ作り」(技術評論社)という本をたまたま購入したところ、ズバリこのキットの製作記事を発見。この発見がなかったら、たぶん手をつけなかったでしょう。


この製作記事によって追加で購入しないといけない部品があることがわかり、秋葉原の国際ラジオさんに部品の調達に伺いました。このときこの本を持参したところ、掲載されている配線図に誤りがあるとのことで、お店のお兄さんが筆を入れてくれました。

その後もしばらく放置が続いたのですが、2012年頃ようやく手をつけました。本格的な真空管ラジオを製作したのはこの時がはじめてです。製作記事のとおりに製作しましたが、ゆっくりゆっくり作ったので完成までに4~5日はかかったと思います。


配線や組立の手順は本の中に詳しく書かれていて、そのとおりに組み立てれば完成させられます。配線の色分けやシールド線の使い方まで内容が濃いです。

それと配線や部品の装着にプリント基板と違う真空管ラジオ独特のテクニックがあることがわかります。また、アース(グラウンド)の取り方が真空管アンプとも違う。 高周波機器とオーディオ機器の違い‥なんてことを考えながら組み立てると面白いです。
              


部品のマウントでいくつかポイントがあるのですが、注意したいのはバリコンの装着です。バリコンはシャーシにゴムブッシングを介してネジ止めします。このネジの締め付け加減で、バリコンのシャフトとバーニアダイヤルの軸と合わせることになるのですが‥ダイヤルの角度によってはうまくシャフトが回ってくれません。

今回は他の部品との兼ね合いであまりスペースもなく、加工も面倒なのでこのままにしました。バリコンの動きは選局の感覚に繋がる大切な部分なので、本当は手を加えてしっかり組立てたいところです。できれば、バリコンはスペーサなどをいれてがっちりシャーシに固定して、延長シャフトとカップラを入れた方がいいと思います。







 手順を踏んで配線を確認、通電したところ一発で動作しました。
通電するまでの確認点なども本に記載されているので、勉強になりました。


アナログ回路で組まれているラジオは、必ずといっていいほど調整の行程があります。この調整次第で本来の性能が引き出せるか決まります。トラッキング調整に続いてIF(中間周波数)の調整ですSGがないのでディップメータで信号を発生させました。IFは調整後475kHzくらいになりました。IFTはHi-Fiタイプが同梱されていましたので、そのまま使ってます。やや発振気味になりましたが、Qダンプはしていません。※詳しくは本文参照。



オリジナルではオーディオアンプとしても使えるようになっていますが、このセットではそのための配線をしていません。一番右側のつまみはロータリースイッチに取り付けただけのダミーです。

感度はまあまあ、デカい音がします。バリコンがうまく回ってくれないので(無理に回せないないこともないのですが)、NHKとAFN専用になってます。ちょっと残念ですがご愛嬌‥とします。

AFボリュームは470kΩ(Aカーブ)のままにしてありますが、ちょっと回すと急にデカい音が出るので手を加えた方がいいかもしれません(可変抵抗器と固定の抵抗器を組み合わせるなど)。音のトーンが調整できますが、ほとんど動かしません。高音は絞って低音を強調して聴いてます。

いまどきなんで真空管ラジオ?と聞かれそうでですが、特別な理由はないです。先ほど勉強になる、テクニックがどうのと書きましたが、ただの道楽です。

★★★★

構成:6BE6,6BA6,12AX7,6AQ5,6E2,6X4
典型的な5球スーパーにマッジクアイが追加されています。
つまり典型的な6球スーパーです。

以上です。