2019年1月16日水曜日

Amazonで売ってるRFプリアンプを自作ケースにいれて‥失敗談


この投稿は初心者の方向けの内容です。
こんな風にやってはダメよという失敗例として読んでください。
内容的には古いです。
2023/9/2 update
--------------------------------------------------------------------------------------------
アマゾンで売られている中華RFプリアンプ、ご存知の方も多いと思います。商品名は“HiLetgo 0.1-2000MHz RF 広帯域アンプ 30dB(デシベル) ハイゲインモジュール”とされていますが、MMICはINA-02186のようです。とにかく安いですよね。

受信用のプリアンプなど、いろいろな用途が思い浮かびますが、基板のままというわけにもいきません。他の方々のブログにもありますが、このアンプ、ゲインが高く発振しやすいようです。自分もケースに入れて使えるようにしてみたのですが‥、いい加減にやったら手こずってしまいました。以下、“ちょっとお粗末な”顛末です。
--------------------------------------------------------------------------------------------
このプリアンプは個体によって不良の場合があるらしいので、まずは簡単に動作チェックをしました。

ケースは久しぶりに生基板で作ってみました。わざわざケースを作る必要はないのですが、まとめ買いした生基板が目についたので練習を兼ねて作ることに。もちろん市販されているアルミのケースの方が楽です。

ケースに入れるときBNCを使いたいのでSMAコネクターを外してしまったのですが、これが後々不具合の原因になります。下の写真を見るとわかると思いますが、SMAを外すときに自動はんだ吸い取り器を当てたら一部パターンが剥がれてしまいました。フラックスが飛び散り基板が汚れるし‥(ToT)。はんだを盛ってやればよかったかな。


基板の取り付けは四隅に金属スペーサーを取り付け、そのスペーサーを半田付けしました。スペーサーは基板に瞬間接着剤で止めてから半田付けしました。同じようにやる場合はガスが発生するので注意。

なんか見た目が良くないですが‥


一通り配線が終わって通電すると006Pの電池が熱くなります。どこかがショートしています。ルーペで見ると、Vcc直近のチップコンデンサに飛び散ったはんだが付着してショート
していました。テストの度に配線を外していたので、そのときに付着したようです。


基板に使われてるはんだの融点が高いので、鏝でやや高熱をかけていました。そのためフラックスで基板が汚れてしまうし、はんだは飛び散るし‥。チップコンデンサーを無傷で外すことはできないので、手持ちのものと交換しました。値は104。下の写真は作業の途中ですが「良くない見本」です。コネクタのhotもcoldも基板に直結にしたいところです。そもそもパターンがSMAなのにそれを外してBNCに拘ったのが間違え。


はじめにケースに入れたときはパターンをショートさせたくないので、コネクターのGND(cold)をケースの底にスズメッキ線で落としました(この雑な配線が不具合の原因に)。配線を終えてハンディ型の広帯域受信機でテストです。

はじめホイップアンテナをつけたときは問題なかったのですが、屋外のGPを着けたときに異常が出ました。

433MHz帯のFMを受信していると、信号のレベルが上がりSメーターが振り切れますが、音がブツブツ途切れることがあります。20dBのアッテネータを入れるとちょうどよくなります。

発振気味ですが、ハンディ機が高感度なのでこんなものかと思って一度はケースに蓋をしてしまいました。ネジ穴止めではなく半田付けです。カッコ悪い??デカい??



でも、やっぱりオカシイ。144MHzのホイップをつけただけで、深くかけたスケルチが開いてぶぶぶぶぶ~と音がでます。完全に発振しています。仕方がないのではんだを全て吸い取って蓋をあけ、配線をやり直しました。なんてこった!

BNCコネクターのGND側をケースの底を落とすのではなく、最短で基板に結線するようにラグ端子を使って工夫してみました。直にパターンにはんだ付けするべきですが無理に無理の重ねて、、リングが届かないしデカすぎる。一応電源のジャックの直近に104の積セラを追加です。


(恥をしのんで最終版の写真。なんだかなぁ、コネクターとの結線が長くなってしまいVHFまでということで‥。コネクターについている黄色いものは、ゆるみ防止の接着剤です。)

やっぱり?、in、outはSMAコネクターのまま使った方がいいです。Amazonでコネクター付ケーブルを売ってますから、途中でカットしてストリップして配線してください。適当に配線するとパターンの寸法が変わってしまい、インピーダンスが狂ってしまいます。GNDへの接続が中途半端だと信号がループして発振の原因になります。基板はガッチりケースに接続して電位を安定させましょう。

GNDは最短で‥基本でありました。
┐(´д`)┌ヤレヤレ

ようやくぶぶぶぶ~が消えました。ちょうど433MHzで埼玉県内の移動局が綺麗に聞こえました。このままGPに繋ぎかえてもメーター振り切れ、ぶぶぶぶ~もありません。



なんだか随分と大回りをしてしまいました。
でも、動作が安定してからは快適に受信できています。

市販されている受信用プリアンプはゲインが10から20dBくらいのようですが、30dBというのはさすがにゲインが高いです。受信用に使うには状況によってフィルターが必要になりそうです。お値段が安いですから周波数カウンターなどの感度不足を感じるときに使ってみてもいいでしょう。

以上、お粗末。

★★★★
2023/9/2 update
同調回路なしの広帯域アンプですから、リスニング用というより回路のゲイン不足を感じたときに使っています。受信回路の調整でノイズジェネレーターを使うことがありますが、感度が足りない(信号のレベルが弱い)ときに一押し二押しできて便利です。

おしまい。